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Written by DMN事務局
on 8月 05, 2021

 

 

Developing our new Systemic Design Framework

 

これは、私たちのシステミックデザインフレームワークの誕生秘話です。プレスリリースや、ウェブに掲載するレポートのようなフォーマルなものではなく、デザインに組み込まれた「見えない」知性について書いたものです。このフレームワークを作ったときに直面した課題は、皆さんがこのフレームワークを使うときにも同じようなことを経験するかもしれません。ここでの学びが、システミックデザインのアプローチを採用しようとしているデザイナーのお役に立てばなによりです。

 

どんなフレームワークなのか

 

システミックデザインフレームワークは、デザインカウンシルのデザインフレームワークを進化させたものです。世界的に有名なダブルダイヤモンドに始まり、最近ではイノベーションのためのフレームワークなどがあります。それはある意味、私たち自身のプログラムや、デザインを使って複雑な課題に取り組む他のデザイナーとの研究の集大成とも言えるものです。システム全体にかかわるような課題は、複数の組織を必要とし、おそらく完全に解決することはできません。詳しくはこちらをご覧ください。

でも、フレームワークでできることがあります。 

 

1.フレームワークでは、ダブルダイヤモンドの基本的な前提発散的思考と収束的思考)としながらも、複雑な課題に取り組む際には、これらの思考方法が非線形であることを認識しておきます。このフレームワークでは、各フェーズをあえて元々の名前とは違う名前で呼んでいます。(発見する:discover/定義する:define/ 開発する:development/ 提供する:deliverではなく、探索する:explore/リフレームする:reframe/創造する:create/触媒となる:catalyse、と呼びます)

 

 

 

 

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キャット・ドリュー Cat Drew
デザインカウンシルのチーフデザインオフィサー。以前はFutureGovおよびUscretetsに在席。ポイントピープル(Point People )のメンバー。

 

システミックデザインの全体的な要素

 

2.フレームワークでは、デザインプロセスの周りにある見えない活動」の重要性を認識します。これには方向性と価値の設定、旅を続けること、コラボレーションとつながり、リーダーシップとストーリーテリングなどがあります。こうした活動は、ほとんど認識されていないため、リソースが確保されることもなく、実行されることもほとんどありません。

 

方向性と価値の設定。システミックデザインの多くは、デザインの段階に入るときの価値観、信念、マインドセットに関係しています。これは「メタデザイン」とも呼ばれます。すべてのパートナーとコミッショナーが価値の面で一丸となるためには、関係と信頼の構築が必要ですが、それには時間がかかります。

 

つながり、集まる。1回の介入でシステムが変わることはまずありません。むしろ、多くのデザイナーが集まって新しいエコシステムを構築し、新しい価値観や行動を体現することで、そこからさらなる介入が生まれるのです。システムデザイナーは、個々のものをデザインするだけでなく、それらがどのように集まり、どのようにつながり、どのようにお互いに依存する(または相互に強化する)かをデザインする必要があります。

 

リーダーシップとストーリーテリング。素晴らしい新世界への移行には、先見性があり、他の人が参加したくなるような希望に満ちた絵を描ける人が必要です。単に絵を描くだけでなく、作って、構築して、スケッチして、コーディングする。未来がどうあるべきかを提案し、どうあるべきでないかを分析できるデザイナーが必要なのです。

 

旅を続けること。プロジェクトが複雑な課題を完全に解決するというのは誤った考えです。プロジェクトによって何かが始まり、それによって新たな関係性が生まれるのです。社会デザイナーや環境デザイナーがよく知っているように、結果がわかるまでには時間がかかります。ですから、デザイナーは粘り強く、時間をかけて少しずつ長期のミッションとして仕事を捉える必要があります。

 

3.フレームワークでは、4つの特性が重要であることを示します。その特性は、一人の個人が持っていることもあれば、チーム内の異なる人が持っていることもあります。「システムシンカー」、「デザイナー/メーカー」、「コネクター/コンビナー(招集者)」、「リーダー/ストーリーテラー」などです。

 

 

システムデザイナーの特性

 

4.フレームワークには、自然と人間以外の存在を包含する6つの原則が含まれています。時間、スケール、自己を超えてズームイン、ズームアウトし、新しいものを強調するのではなく、循環性、既存の資産、再利用を受け入れます。

 

 

 

 

 

作業の指針となる原則

 

絶好のタイミング

世界が求めているときに、私たちはそれを作りました。

デザイン自体が、より大きく、より複雑な課題に取り組んできました。アンナ・ウィンチャー氏の素晴らしいレポートにあるように、ポリシーデザインの台頭を見ることができます。英国政府のポリシーラボではポリシーデザイナーを募集していますが、カムデン・カウンシルもこれに続いたと聞いています。私たちの「公共部門におけるデザイン」プログラムは、7年前に始まり、より人間中心的なサービスをデザインするチームを支援しています。ここ数年は、地域に根ざした健康や気候危機など、より複雑な課題に取り組むための支援を行っています。

 

デザインカウンシルでは、昨年、異なるデザイン手法を、一つの多様な専門分野の人材を集めたチームにまとめました。これは、地域や都市の規模でのインフラや都市計画から、個々のユーザーの規模でのプロダクトやUXデザインまで、それぞれの専門家がデザインする際の規模の違いを理解することを意味しています。そのためには、どちらにも適用できるフレームワークが必要でした。

 

「システム」や「システミック」は、人によって意味が異なるため、常に厄介な言葉です。すぐに技術的なシステム(空港管制など)を思い浮かべる人もいれば、社会的なシステム(家族単位など)、自然のシステム(森林など)、動的なシステム(肥満原因の一覧図など)を思い浮かべる人もいます。私の前職では、「システミックデザイン」はうまく機能しませんでした。しかし、2020年に私たちが学んだことは、すべてがつながっていて、制度的な不公平があるということでした。システミックという言葉は、今では少し一般的な言葉になったように感じます。

 

 

サルフォードの湿地帯を撮影したLuke Blazejewski氏の映像から(Olutayo Adebowale博士の提供)

 

 

 

スヌークのSafety Net Technologies社とのプロジェクト、ショートフィルムはこちら

 

 

開発の経緯

 

システミックデザインフレームワークは、誰に頼まれたわけでもなく、自然に生まれたものでした。

 

デザイナーがシステミックデザインについて語るのは、私たちが初めてではありません。システミックデザインアソシエーションという国際的なコミュニティがあり、毎年カンファレンス(Relating Systems and Design Symposium)を開催していますし、カーネギーメロン大学にはトランジションデザインの学校があります(素晴らしいポッドキャストはこちら)。弱い立場に置かれた人たちの世界観を訴え、今の権力構造を壊すことで(例えば、Design Justice Networkアートゥロ・エスコバルのDesign for the Pluriverse、クラウディア・マレイスとニナ・パイムのDesign Strugglesにまとめられたデザインライターのコレクションなど)、制度的な不公平に取り組もうとしているデザイナーやデザイン学者がいます。また、バイオデザインの分野では、デザインにおける自然の役割を認め、再生可能な文化(UALのLiving Systems LabニューカッスルのCentre for Biotechnology in the Built Environmentアレクサンドラ・デイジー・ギンスバーグとナツァイ・チェーザによるOther Biological Futuresなどを参照)への回帰も見られます。デザインカウンシルの役割は、新興のデザイン活動を理解し、それをより多くのデザイナーや非デザイナーが理解できるように翻訳し、さらに主流のコミッションへと押し上げることです。

 

私たちは2つのリサーチを進めていましたが、フレームワークはその2つの間から生まれたものです。

 

そのひとつは、The Point Peopleの同僚であるジェニー・ウィンホールとキャシー・ロビンソンといういずれも著名なソーシャルデザイナーと一緒に行った、将来のデザインのあり方についてリサーチです。私たちは、デザインを使って、システムをより再生的で公正で健全なものへと意図的に変化させる方法に興味を持ちました。これは「ベスト・プラクティス」というよりも「ネクスト・プラクティス」と呼ばれる新しいもので、私たちは意図的に新しい言葉を使って、デザイナーに異なる考え方や行動をさせるようにしています。これを主流にするには、まだいくつかの課題があります。

 

そしてもうひとつは、ネットゼロのためのデザインに関するリサーチです。デザインカウンシルの優秀なアソシエイトであるナット・ハンターは、さまざまな分野(ランドスケープデザイン、プロダクトデザイン、ファッションデザイン、サービスデザイン、建築など)のデザイナーにインタビューを行い、デザイナーがネットゼロを超えた持続可能な、あるいは再生可能な結果を考えていることがわかりました。環境問題を社会問題と切り離して考えるのではなく、すべてがつながっていると考えているのです。そこで私たちは、ネットゼロのためのデザインの技術的な解決策を挙げるのではなくデザイナーが他の専門家やコミッショナーと協力して作業する際に使うシステミックなフレームワークを作るよう報告の内容を変更しました。

 

 

 

 

 

持続可能性と移行に関する既存のデザインフレームワークのリサー

 

これは。自分たちのプログラムでも試してみました。先に述べたように、私たちの「公共部門におけるデザイン」プログラムは、気候危機などの、より複雑な課題に取り組むために進化してきました。また、LGA(地方自治体協議会)や健康財団(Health Foundation)と共同で、健康な生活のための場所づくり(Shaping Places for Healthy Lives)というプログラムを実施していますが、そこでは、デザインを使って健康に関する様々な決定に取り組んでいます。各チームがより広い視野で物事を考えられるように、イノベーションのフレームワークを進化させる必要がありました。そして、これらのコホートベース(グループ学習)のプログラムは、デザインのスキルを組織に導入する際に同僚が互いに学ぶだけでなく、異なる活動の間に関連性を持たせる機会でもあると考えるようになりました。例えば、ミッドサフォーク州で生物多様性の計画を実験している人が、チェスター州で低炭素住宅計画をテストしている人から学ぶことができたり、またその逆も然りです。

 

 

 

 

 

 

気候危機に焦点を当てた2020/21年公共部門のデザインプログラムの一環として協力している協議会

 

私の自宅のデスク周りには、フレームワークのさまざまな図を描いた、膨大な数の紙やポストイットが貼られています。とても複雑なものから、ごくシンプルなものまで、時間をかけて蓄積されてきました。描いた図は、同僚やデザインカウンシルの仲間と共有したり、外部のカンファレンスでも共有しました。エレン・マッカーサー財団とは3日間のスプリントを実施しました。彼らも私たちと同じく、デザインツール(循環型経済のツール)をデザイナーが理解しやすく、使いやすいものにするというミッションを持っています。また、LCC(ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション)のMAデータビジュアライゼーションの学生にも、この新しいフレームワークをどのように伝えるかについて、概要を話して彼らの新鮮な考え方を聞いてみました。出てきたデザインは以下のようなもので、私たちの考えの参考になりました。

 

 

 

 

 

 

LCCの学生、サマンサ・シャノン、ヤナ・タウシンスキー、エレナによる最終結果 

 

 

 

 

 

LCCの学生、シコン・チャオ、イ・チェンによる最終的な成果

 

緊張

 

実にシンプルで洗練されているように見えますが、困難な道のりでもありました。

 

複雑さを排除し、専門知識のための余白を与える

 

デザインカウンシルでは、デザイン経済の全体に関わる仕事をしています。建築・建設環境、ソーシャルイノベーション、ビジネスイノベーションを専門としていますが、デザインの仕事はそれだけにとどまらず、すべてのデザイナーが利用できるようなリサーチやフレームワークを提供しています。サービス、デジタル製品、衣類、パッケージ、近隣公園、交通インフラなど、それぞれのデザイン分野には、変化を起こすための固有の技術的アプローチがあるため、それらをわかりやすく伝える役割も担っています。これらの異なる分野を統合するためのフレームワークや原則を作るのが私たちの仕事です。深い技術的専門知識(およびデザイン以外のさまざまな経験や視点)を取り入れながら、プロセスを導くためには、仕事はハイレベルでシンプルでなければなりません。そのため、時には、海水温の上昇や洪水、大気汚染や食糧不足による健康面での不公平などの大きな問題に、技術的な説明を省いたハイレベルなフレームワークで取り組むことを提案をするのは、やや「シンプル」だと感じることもあるでしょう。T字型のデザインにおいて、私たちは間違いなく、広さと深さの交差点にいます。トランスレーションのTです。

 

新しいアイデアのためのメンタルスペースを作り、多様な考え方ができるようにする

 

新しいデザインを考える際に、思考を誘導する強い精神的な枠組みがあると、デザインはきわめて難しくなります。私にとっては、それが「ダブルダイヤモンド」でした。新たなスタートを切りたかったので、本当にリサーチから始めなければならないのか、提案からじゃいけないのか、そして、最後のダイヤモンドが一点に集約し、全てをきれいに終わらせることができのか確かめようと思いました。もちろんアンドレア・クーパーがオリジナルのデザイン・カウンシル・メソッド・バンクで私に思い出させてくれたように、ダブル・ダイヤモンドは2つのダイヤモンドがあるだけでなく、たくさんのさまざまな構成を意図しています。しかし、それはすでに知られていて、わかりやすく、さまざまな面でデザインカウンシルを特徴づけているものでした。そこから抜け出すのはとても難しかった。確かに、これは強力なアイデアで、さまざまな場面で(例えばビジネス・イノベーションの分野で)は絶対的に有効だったからですが、メンタルフレームがいかに強力であるか、そしていかに私たちの思考を決定づけるかということを思い出させてくれます。

 

最終的には、発散/収束の思考を中心に据えたものにたどり着きました。インタビューに答えてくれたデザイナーたちが、「ブリーフ(概要)のリフレーミング」が最も重要だと言っていたからです。しかし、原則や特性、目に見えない「支援」活動など、その周辺にはもっと多くのニュアンスの違いがあります。どのような場合に、どのようなフレームワークを使うかは、おそらくデイブ・スノーデン氏がクネヴィンフレームワーク(Cynefin)で行っているように、実際に明確にしなければならないでしょう。

 

しかし、これが唯一の方法ではなく、複数のデザイン戦略があることを認識しておかなければなりません。そして、代替案を探し続け、最初の仮定に疑問を持ち、あらためて物事を見直す必要があります。だからこそ、未来のデザイン手法を研究することが必要なのです。そしてコミュニティがどのようにデザインを利用しているか(多くの場合はそれと知らずに使っている)を理解するには、コミュニティデザインに関する研究(「Design, Differently」TNLCF & Local Trust)も不可欠です。また、最近新しくなったデザインカウンシルの専門家ネットワークからも学び続けることができます。経験豊かで多様なバックグラウンドを持つ400人以上の素晴らしい建築・自然環境の専門家がいるネットワークです。

 

優れたシステミックデザイナーは、常に二本立てで仕事をしなければならないことを知っています。現在のものを完全に取り壊すのではなく、既存のものに取って代わる新しいものを創造するのです。根本的に再構築しながら、同時に、反復的に改善していきます。

 

・ ・ ・

 

 

 

この記事は、2021年4月に公開されました。英文はMediumで閲覧できます。

 

●Developing our new Systemic Design Framework

https://medium.com/design-council/developing-our-new-systemic-design-framework-e0f74fe118f7

(DMN編集部)

 

 



 

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