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6 20, 2017 08:51 「行政書類」と「機種変更」~ギャップファインディングというメソッド~

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こんにちは、mctデザインインサイトユニットの小幡(こばた)です。

今朝、移動中の新幹線の中で、「マイナンバーの電子申請、LINEで可能に」という車内ニュースが目に飛び込んできました。ちょうど先週末に、健康保険に関する変更申請書類を記入する必要があったこともあって、気になったのですぐにスマホで調べてみました。

マイナンバー制度の個人向けサイト「マイナポータル」と無料通信アプリ「LINE」の連携については、どうやら「メッセージアプリで日本で最も多い6,800万人が利用しているLINEで、行政窓口を身近にする第一歩にしたい」という目論見のようです

この取り組みの使い勝手などが、実際にどのようなものになるかはわかりませんが「手続きがラクになって、使い勝手がよくなりそうだな」という気持ちにはさせられますよね。

と言うのも、皆さんもご経験がおありかと思いますが、行政の手続き(特に書類記入)というのは、なぜか気合いが必要です。
 

まずは「書き方の理解」に数分から数10分。そして実際に書き始めて「これでいいのかな?」と悩むこと数分。やっと「書き上げた!」と思って見直していると勘違いに気付いて複数箇所修正すること数分。修正も見直しもできていざ窓口に持っていきながらも「これでほんとに合ってるのかなぁ」と自信がない状態で提出。そして窓口の係の人に見てもらいながら、間違っているところを指摘されたらどうしようとドキドキしながら待つ。。。

というように、最初から最後まで常に不安が付きまとってくるんですよね。でもこれが行政の手続きというもの。

一方、この前の日曜日、気に入って使い続けてきたスマホが、ついに使えないレベルのスローモーな動きになってきたので機種変更をすることに。突如思い立ってお店に行ったにも関わらず、マンツーマンでかつ懇切丁寧に変更の手続きを終えることができました。その時、健康保険に関する変更申請書類記入の時に感じた不安は一切なく、ほんとにスムーズに機種変更ができました。


さて、僕が体験したこの2つの出来事を比較して考えたことは、「行政の手続きってこういうもんだよね、面倒だけどそういうもんだよ」という諦めや妥協がある、ということでした。

そして実は、この「比較」こそ重要で、「手続き」ということについて行政と民間の比較ができたからこそ、行政の手続きについて「小難しく、記入しにくい書類を、不安になりながら埋める」ことを「あたりまえのこと」として強いられ、それを「自分も受け容れてきた」ということに気付けたわけです。

このように、まったく別のカテゴリーとの比較を通じて、さまざまな場面に「あたりまえ」のこととして埋め込まれてユーザーの期待を阻んでいる「暗黙の前提」を認識することは、問題解決の視点をグーッと広げてくれます。

それが、mctの「ギャップファインディング」というメソッドです。

このブログを読んでいただいているサービス提供側の皆さんも「何かを変えよう、何か新しいことを生み出そう」と常に奮闘しているのに「なかなかうまくいかない」とお悩みの方がいらっしゃるかもしれません。それはもしかすると、従来の枠組みの中で奮闘されているからかもしれません。僕の場合はたまたま短期間に違うカテゴリーの「手続き」を体験したために気付くことができましたが、「ギャップファインディング」はそうした枠組みを取り払うための視点を導き出すためのメソッドなのです。


ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

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Tomo Kobata株式会社mct エクスペリエンスデザイナー

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