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4 12, 2016 05:07 慶応大学経済学部 武山政直教授と語る「サービスデザインでマーケティングはどう変わるか?」

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こんにちは、mctの下野です。

4月8日に開催したConvivial Salon Vol.2についてご紹介します。
Convivial Salonはmctの新たな活動として2016年から開催しているイベントの1つで、さまざまな業種、職種で働く人々が、その垣根を越えて集い、対話し、楽しみながら学び合おうという趣旨の共創型セミナーです。

2回目は「サービスデザインでマーケティングはどう変わるか?」というテーマで、慶応大学経済学部の武山政直教授をゲストスピーカーにお招きし、サービスデザインについて学びました。ポイントは「イノベーションには、サービス発想による事業の捉え直し(リフレーミング)が伴う」。例えば、スーパーマーケットが顧客のゴールを「食材を得る」ことだと定義する限り、マーケティング活動は食材の販売に終始することになります。しかし、食材を得て顧客は何がしたいのか、顧客のゴールを販売の先にある「食事を支度する」「健康な食生活を送る」まで広げて捉え直すことができれば、「食事の支度の負担の軽減」「健康な食生活の支援」といったよりインパクトの大きいマーケティング活動を展開することが可能になります。レクチャーを通して、業界の枠の中のマーケティング競争に留まるのではなく、顧客のゴールの次元を上げて事業を捉え直すことでマーケティング変革の方向性が見えてくる、という重要なヒントをいただきました。

また、今後の展望として「IoTの普及によって市場領域を横断するようなビジネスが増えていく。これはサービスデザインによって新しい市場を生み出すチャンスでもあり、脅威でもある。」といったお話が印象的でした。自社の製品・サービスを「作って、売る」マーケティングから、業界の枠組みを超えて顧客価値を「共に創り出す」マーケティングにいかにシフトするか。そのためのマインドセットや技術を獲得するうえで、サービスデザインはマーケターにとってますます重要になってくるのだと思います。

参加者の皆さんからは、サービスデザインを推進していくための組織デザインや、リフレーミングのコツについて質問をいただきました。自部門の範囲でしか新規事業を考えられなかったり、組織を超えて取り組むことが難しかったり、現状の組織には、サービスデザインを取り組むうえでのさまざまなハードルがあるようです。しかし、後半のワールドカフェでは一転、いろんな業種の方々がチームを組んで、企業の枠を超えて活発なアイデア交換が行われました。参加者の皆さんも課題に取り組みながら、そういったハードルをクリアしていく日もそう遠くないのでは、とお感じになったのではないでしょうか。我々も、強い気持ちを持った皆さんにたくさん参加していただいたことを感謝すると同時に、そんな皆さんによるマーケティング変革の取り組みを少しでも応援できればと思った次第です。

Convivial Salonでは今後も経営やマーケティング、デザインといった様々な分野のテーマを取り上げながら定期的に開催していく予定です。

○ビジネステーマについて熱く議論したい人
○自社の課題解決の答えを社外に求める人
○お酒を酌み交わしながら気軽に交流したい人
○終業後の時間を有意義に使いたいという人
○学習や成長の機会を求める人

そういった方々のご参加をお待ちしております。ぜひ今後もご期待ください。

Fumihiro Shimono株式会社mct デザインストラテジスト

【タグ】 セミナー,

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