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6 08, 2017 01:45 共感について

mctデザインインサイトユニットの合田(ごうだ)です。

これは私の個人的な体験なのですが、今でも印象に残っている話があります。

大学で心理学を専攻していた時、確かカウンセリングの授業だったと思うのですが、講師で来られていたカウンセラーの方が、「若いころ、犯罪者のカウンセリングをしていたときに最初は明らかに常識とは違う(正しくない)、と思っていたことが回数を重ねるごとに彼の言っていることが正しいように思えてきたことがあった」という話をされていました。相手の話に共感しすぎてだんだんと相手の考えや思考に飲み込まれてしまいそうになった、そんな経験をされたということでした。

上記は極端な例ですが、私が普段、インタビューをするときに大事にしているのは共感と線引きです。もちろん、インタビュー中は相手に共感しながら理解を深めていきますが、一度立ち止まり「自分だったらどうするか?どう思うか?」と考えながら質問を投げかけています。誘導的な質問ではなく、相手をもっと理解するためです。

まだ経験が浅かったころ、インタビュー中に迷子になったような感覚に陥ることがありました。もちろん今はそんなこと一切ありませんが。講師の先生の言葉を借りると、相手の話に飲み込まれてかけていたんだと思います。

ポイントは、共感するところと、線引き(うまく距離を保つこと)を見極めることです。このあたりは経験を重ねるごとに分かってくるのかもしれません。ちなみに友人によるとカウンセラーになるには、自分の性格を徹底的に理解して、癖をなおしていかなくてはいけないそうです。

デザインリサーチにおけるインタビューはカウンセリングではないので、そういった必要はありませんが、自分がどういう人間なのかを分かった上でプロジェクトをすすめていくと、より深く相手を理解することができると思います。

また心理学にからめた話があればブログにアップさせていただこうと思います。

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Satomi Goda株式会社mct エスノグラファー

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