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4 03, 2020 10:00 Blog|リサーチに使うデジタルツールの使い勝手についてmctメンバーで話し合ってみました

リサーチに使うデジタルツールの使い勝手について-1

先日、mctのメンバーで、リサーチで使うデジタルツールの使い勝手について、オンライン座談会を開きました。そこで話し合われたことが面白かったのでシェアさせていただきたいと思います。

話題に上がったデジタルツールは、オンラインワークショップで使えるMURAL、インタビューの発言整理に役立つDovetail、インサイトの構造化に役立つCoggleの3つです。

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佐藤(今回の座談会のファシリテーター)「ストラングさん、最近使ったデジタルツールで面白かったものありますか?」

ストラング「私がサポートスタッフとしてお手伝いしているDMNのセミナーでMURALを使いました。講師が出したお題を、オンラインで参加している受講者がMURAL上で回答し、講師がそれを見ながらコメントする形式です」

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MURAL:ビジネスモデルキャンバスやペルソナといったデザイン思考関連のフォーマットが多数準備され、オンライン上でそれらを作成・共同編集できるオンラインワークショップ用ツール
※ここで見えている内容は実際のプロジェクトのものではなく、サンプル(イメージ)です。

MURAL
https://mural.co/


ストラング「オンラインでのセミナー参加者が多くなって急遽使うことになったのですが、セミナー講師にも評判は良かったです。ただ、企業のセキュリティによってはアクセスできないことや、映像配信で使っていたZoomとの画面切り替えが面倒な点など、クリアすべき問題は多い印象でした」

亀田「セキュリティで入れなかった人にはどうしたんですか?」

ストラング「PDFを送って、回答してもらいました。MURALを使う場合でも、事前に慣れてもらっておく必要がありますね」

合田「インタビューの被験者に事前に資料作成してもらうことがあるのですが、MURALを使ったら回収も簡単にできそうですね」

佐藤「確かに、その使い方も便利ですね」

MURALについて一通り話をした後に、別の分析ツールであるDovetailに話が移りました。

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Dovetail:インタビュー結果から発言整理~インサイト抽出に役立つツール
※ここで見えている内容は実際のプロジェクトのものではなく、サンプル(イメージ)です。

Dovetail
https://dovetailapp.com/


亀田「私からはDovetailのことを話したいんですけれど、私がディレクションしている異なる二つのプロジェクトで、それぞれ違う使い方をしました。一つはインタビュー結果をDovetailに流し込み、Dovetail上でインサイトを見つけながらフラグ付けをしていきました。ただ、インサイトを修正したいときにちょっと手間が多かったです」

佐藤「なるほど」

亀田「もう一つの使い方は、5~6件のインタビューが終わった後にインサイトの抽出と意識合わせだけメンバー内で終わらせて、Dovetail上では発言にインサイトを紐づけるのみの使い方。Dovetailは分析のためではなくて、報告書に載せるエビデンスのストックとして使いました。インサイトを選ぶとそれに紐づく発言がぱっと集まるので作業がラクなんです」

合田「これを見ているとインサイトに対応する発言の部分にマーカーが引かれていることも便利ですね。どこを読めばいいかがすぐ分かりますもんね」

下岡「私はその案件で分析のお手伝いをしたのですが、東京と大阪で離れて作業していると他のメンバーの方がどう考えているかが見えない時があるんですけど、このようにマーカーが引かれ、インサイトが横に見えると、他のメンバーがどう考えているか、頭の中が見えるので助かっています」

亀田「例えば『副作用』というキーワードが含まれる発言がババっと集まってくれたらもっと分析に使えるんですけど、検索機能が日本語に十分対応していないみたいで、そこがもったいないんですよね」


最後は、また別の分析ツールであるCoggleに話が移りました。

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Coggle:オンラインでマインドマップを共同作成・編集できるツール、インサイトの構造化にも役立つ
※ここで見えている内容は実際のプロジェクトのものではなく、サンプル(イメージ)です。

Coggle
https://coggle.it/


合田「Coggleなんですけど、リサーチで得られた全てのインサイトをマインドマップのように一枚の絵に描くことができて、例えば「こんな業界の背景があってこんなニーズが生まれた」といったような構造(因果関係)も描きやすいんです。今回、佐藤さんと進めたプロジェクトでも、調査で得られた結果を一枚で見える化できてしまうのが便利だと思いました」

佐藤「ひとり取材が終わったらCoggleでインサイトを追加してを繰り返し、全ての取材が終わったときに完成度の高いインサイトのマップのようなものが完成しているイメージです。これまでだったら、取材をして、テキスト(テープ起こし)を待ってから分析して、という時間のかかる分析が、クイックになった感じがしました」

下岡「頭がフレッシュな時に、インサイトの全体像にタッチできるのは良さそうですね」

合田「一人目のインタビューが終わった時からCoggleでインサイトの抽出を行い、常にインサイトの全体像が見えている状態でプロジェクトを進行できました。何か思いついたら、どんどんCoggleに入れていった感じです」

佐藤「合田さんがCoggleを更新したらメールが飛んでくるので、どこを更新してくれたのかなってCoggleにアクセスしてました(笑)」

亀田「私はCoggleを使って報告書の構成を描いたことがあります。Dovetailは、特にエビデンス(発言)を集めることが重要なプロジェクトには便利かもしれないけど、調査全体を説明したいときはCoggleのようなツールが便利かもしれないですね」

合田「こういうマップを綺麗に作ってくれるのは地味に便利ですね。絵作りに頭を使わなくていいので」

それから、CoggleがZMET(※)的な分析にも使えそうという話題になって、座談会は終わりました。

※ZMET法:認知心理学や脳科学の理論をベースに、OLSON ZALTMAN ASSOCIATES (http://www.olsonzaltman.com/)が開発した「潜在意識を深く理解する」手法。イメージとメタファーを駆使することで深い潜在ニーズを明らかにする。


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Takeshi Sato株式会社mct ストラテジスト

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