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Oct 12, 2020 07:45 Blog|建て直されたマズローの欲求ピラミッド

1012_建て直されたマズローの欲求ピラミッド

こんにちは。mctの鶴森です。
皆さんはマズローの欲求5段階説をご存知だと思いますが、
進化論や生物学の観点から建て直されたピラミッドがあるというのをご存知ですか?

提唱しているのは、心理学者のダグラス・ケンリック教授で、マズローのピラミッド(欲求5段階説)との大きな違いは、「自己実現の欲求」が「繁殖(家族)の動機」に変わっているというところにあります。

ケンリック教授はマズローのピラミッドにどのような問題を見出したのでしょうか。
著書(邦訳「野蛮な進化心理学」白揚社、ダグラス・ケンリック著)の中で「マズローは、人間の一生において繁殖が持つ中心的な重要性を語っていない。さらに、ピラミッドの上位にある自己実現の欲求を非生物学的な欲求として上位に位置付けているが、人間に特有の行為と思われるからといって非生物学的と決め付けることは間違っている」というようなことを述べています。

そして そのような問題に対して、ケンリック教授は次の図のようにピラミッドを建て直しました。

画像1

出典:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3161123/ 画像を引用し日本語訳を追記

マズローのピラミッドとの違いは大きく3つのあります。

1.「頂点から自己実現の動機をなくした」
マズローは「自己実現」は生物学的な機能を持たないと考えましたが、ケンリックは人間の行動はすべて包括適応度(自分の遺伝子を未来に旅立たせるための成功度)を高める産物だという進化論の観点から自己実現にも生物学的な機能があると考えました。自己実現を極めた人は、歴史的にみればたいてい高い地位を得て、繁殖成功の確率を高めているといったことを例えに出し、自己実現を承認欲求の延長上の一部として位置付け、「自己実現の追求→他人からの高い評価が得られる→集団内での地位の確立につながる→より多くの異性とお近づきになれ、子供にごちそうを与えられる」といった機能的なメリットがあるとしています。

2.「頂点に繁殖に関する3つの新しい動機を加えた」
ピラミッドの上部は「自己実現」に変わって、「配偶者の獲得」「配偶者の維持」「子育て」の3つが置かれています。
理論的な背景には、生活史理論と言われる概念があります。
生活史とは、「生物学的経済」に関する理論であり、そこには動物の成長過程において限られた資源をいつどのように割り振るかについて常にトレードオフが存在するという前提があります。また生活史は大きく二つの局面に分けられ、ひとつは身体的努力(得た資源を自らの身体という銀行口座に入金する)、もうひとつは繁殖努力(入金した資源を固体の遺伝子複製に使う)で、さらに繁殖努力は交配と子育ての2つに分けられます。人間の場合は性的成熟期に達するのに時間がかかり、パートナー探しに数年を費やし、さらに自分のエネルギーを子育てに注ぐという特徴があります。
その考え方をピラミッドに適用し、生存や社会的つながりに関する動機が、配偶者を獲得するための下支えになっていて、それが今度は配偶者との関係維持の基盤となり、次にそれが子作りや子育てといった動機を支えているといった形にしています。

3.「動機を重ね合わせた表現にした」
マズローは高次の欲求を持つ芸術家などは低次の欲求を超然しているという考え方をしていましたが、ケンリックは「マズロー以降の研究からは、遅れて発達する動機は先行する動機に置き換わるのではなく、その上に形成されるという考え方が支持されている」という理由から、ピラミッドを重ね合わせることで、その時々の状況によって同時に存在する別の動機が選択されるということを表現しています。


ここまで、ケンリックのピラミッドをマズローとの違いという視点からご紹介してきました。
私自身の経験では、mctが実施したプロジェクト「Making New Things 〜アフターコロナ・ビジョニング」の中で新型コロナを通して人生が大きく変化した人たちに話を伺った際に「家族」に関する変化やニーズを強く意識している人がいて、テーマによってはケンリックのピラミッドを意識すると対象の理解が深まる場合があると実感しました。
一方、ケンリック教授の仮説では自己実現の欲求が承認欲求の一部として位置付けられていますが、フロー理論があるように純粋に創作活動に没頭している芸術家は承認欲求を意識しているわけではないと思います。またそのような意識/無意識のレベルの違いに加え、人間は生物学的な欲求だけではなく生まれてからの社会的な影響を受けて欲求が形成されるということも考えられます。そのように考えると、どちらか一方だけではなく両方のピラミッドが建てられた背景を理解した上で、あくまでも仮説として目的や状況に応じて参照することでよりうまく活用できると考えています。

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Shinpei Tsurumori株式会社mct エクスペリエンスデザイナー/ストラテジスト

Feb 25, 2019 12:27 [Seminar]リフレームによる新しいビジネスの機会領域探索

 

リフレームによる新しいビジネス機会領域の探索

「ファクトフルネス」という書籍をご存知でしょうか。


  Q,世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう?


    A. 20%  B. 50%  C. 80%



このようなクイズを紹介しながら、人間はいかに物事を正しくとらえることができないかを紹介しています。

このような考え方は新商品・新サービスを考える上でも有効で、
自分がどのようなバイアス・フレームで物事を考えているかを把握することで、
これまでにはない発想を導き出すことができます。

mctでは新規事業開発プログラムのエッセンスを抜粋し、
バイアス・フレームの捉え方や、新しい機会の探索について
ワークを交えながらのセミナーを予定していますのでぜひご参加ください。


< 本セミナーのポイント >
・リフレームによる機会探索
・探索した機会の検証アプローチ


もし貴部署・他部署の方で本内容にご興味ありそうな方が
いらっしゃいましたら、本内容をシェア(転送)いただけますと幸いです。


※申し訳ございませんが、定員に達しましたのでお申込みを締め切らせていただきました。
たくさんのお申込みありがとうございました。またのご参加をお待ちしております。

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Fumihiro Shimono株式会社mct ストラテジスト

Jan 08, 2019 05:11 [Seminar]デザイン思考と新事業開発

 

design Thinking&new business

大河ドラマ「西郷どん」がエンディングを迎えました。愛に溢れたリーダーが時代を切り開いていく実行力に魅了されました。

さてそんな中、西郷どんの地元薩摩の島津藩に伝わるとされる「男の順序」という教えを見かけました。

  男の順序   1 何かに挑戦し、成功した者
 2 何かに挑戦し、失敗した者
 3 自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手助けをした者
 4 何もしなかった者
 5 何もせず批判だけしている者


2019年はどのような1年にしていきますか?
「何もせず批判だけしている者」ではなく、失敗してでも新しいことに挑戦する1年にして、自分を高めていきましょう。

mctでは新規事業開発プログラムのエッセンスを抜粋し、
バズワードとなっている「リフレーム」や「リーンスタートアップ」を具体的にどのように活用していくのか、事例を交えながらのセミナーを予定していますので、2019年最初の挑戦としてぜひご参加ください。


< 本セミナーのポイント >
・リフレームによる機会領域の探索
・リーンキャンバスの具体的な活用
・ビジネスモデルキャンバスとの連携
・顧客インタビューの意識

日時
2019 年 2月 1日(金)15:00-17:00
※セミナー終了後 17:00-18:00まではQ&Aやネットワーキングタイムになります。

会場
(株)大伸社 本館1階「chika」
東京都渋谷区千駄ヶ谷2-9-9 <Access>

参加費
無料

定員
30名(定員になり次第お申込みを締め切らせていただきます)

※セミナーは終了いたしました。

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Fumihiro Shimono株式会社mct ストラテジスト

Aug 02, 2018 08:00 人間中心イノベーションのスキルを活用した新事業開発支援プログラム

 

株式会社mctのビジネスデザインユニットでは、人間中心イノベーションのスキルを活用した新事業開発支援プログラムを自治体や企業に提供しています。

SHT_logo2_big

Startup Hub Tokyo(東京都)
MIGAKU 〜顧客開発ブラッシュアップスクール〜
https://startuphub.tokyo/event/migaku2018


aidor logo

AIDOR acceleration(大阪市)
ゼロイチで生み出す!一緒にアイデアを「売れるビジネス」に。
https://www.imedio.or.jp/acceleration/reports/2017-01-0405

人間中心イノベーションについての説明は割愛しますが、我々が大切にしていることは「顧客を中心にビジネスを考える」ということです。至極まっとうな話なのですが、これが会社・組織に属している立場で考え始めると一気に揺らぎ始めます。なぜなら「これまでの慣習や枠組みから外れたくない」という、変化に対する拒否感が既存事業の本能としてあるからです。

そのため、現在の事業に新しい変化を加える新規事業開発には、既存事業の本能を超えていく大きな推進力が必要となります。そして、我々はその推進力の原点になるものが「当事者自身が顧客のことを深く理解していくこと」だと考えています。

101 Design Methods を用いたビジネスデザインコーチング

参加者自身がよい顧客に出会い、興味深い課題に気づき、それに対して主体性をもって前向きに取り組んでもらえるように、我々はインタラクティブなセッションを通して当事者自身に新たな視点・切り口に気づいてもらいたいと考えています。

少しスパルタなプログラムにはなりますが、そこはプレイフルな要素も取り入れながら新事業開発のマインドセットとプロセスを楽しく体感してもらえればと思います。

01-7
組織へのデザイン思考導入事例 ― サントリー食品インターナショナル様
http://mctinc.hs-sites.com/blog/page/4

 新規事業のビジネス開発プログラム   

Fumihiro Shimono株式会社mct ストラテジスト

May 14, 2018 01:00 優れた起業家の意思決定理論「エフェクチュエーション」

こんにちは。mctの鶴森です。
「エフェクチュエーション」という言葉をご存知ですか。
「エフェクシュエーション」とは
バージニア大学ダーデン経営大学院のSaras Sarasvathy教授が提唱している理論で、成功した企業の創業者を研究して導き出した、優れた起業家の意思決定の理論です。それ以前は、起業家の特徴は、生まれ持った資質や運などで語られていたのですが、共通の理論や思考プロセスを体系化したことで、注目されてました。(邦訳「エフェクチュエーション」碩学舎、サラス・サラスバシー 著)

Sarasvathy教授は、エフェクチュエーションの反意語として、「コーゼション」を挙げています。 「コーゼション」とは、目的からスタートし、目的を達成するには何をすればいいかを考え、特定の結果を生み出すための手段を選択するという意思決定プロセスのことを差します。STPマーケティングなどの教科書的なアプローチがコーゼションにあたるので、イメージしやすのではないでしょうか。その前提には、未来は不確定なものだが、できるだけ予測して進めていく「未来は予測できるかぎりコントロールできる」という考えがあります。

一方、エフェクチュエーションは、特定の手段からスタートして、それらの手段を使って何ができるかを問い、可能な限りの結果をデザインしていくというアプローチです。その前提には未来は不確定なものだから、自ら影響を与え変えていくものであり「未来はコントロールできる限り予測する必要はない」という考えがあります。

比喩として、エフェクチュエーションは手持ちの生地を自由に組み合わせながら全体像を作り上げていくパッチワークキルトのようなもの、コーゼションは全体像が見えていてピースを埋めていくジグソーパズルのようなものに喩えられます。スクリーンショット 2018-05-10 12.47.22

「手段からスタートして結果をデザインする」「未来はコントロールできる限り予測する必要はない」といわれても具体的にどう行動すればよいのかイメージしにくいですが、Sarasvathy教授はそのためのテクニックを5つの原則として具体化しています。

エフェクチュエーションの5つの原則(熟達した起業家の意思決定基準)

1)「手中の鳥」の原則
自分が今持っている手段「自分は誰か、何を知っているのか、誰を知っているのか」からスタートして、可能な結果をデザインする。(⇔コーゼションでは、目的や特定の結果からスタートして手段を選択する)

2)「許容可能な損失」の原則
いくらまでなら損してもよいかコミットする。(⇔コーゼションでは、いくら儲かるのかリターンを最大化することに焦点を合わせる

3)「クレイジーキルト」の原則
顧客や競合をパートナーとして交渉し、ステークホルダーが提供してくれる資源を柔軟に組み合わせて価値のあるものを作りだす。(⇔コーゼションでは、顧客や競合を自分と切り分けて分析の対象とする

4)「レモネード」の原則
不確実性や予期せぬ出来事をリソースと捉え梯子として活用する。すっぱいレモンをつかまされたら、レモネードを作れという格言があるそうです。(⇔コーゼションでは、不確実性を避け、克服し、適応する

5)「飛行中のパイロット」の原則
予測に頼らず、常に状況監視とコントロールを怠らない。それは予想外の機会を知る手段であり、最悪の自体を克服するための鍵。(⇔技術年表や社会経済学的なトレンドのみを活用する

ここまで、エフェクチュエーションとコーゼションを対比させて見てきましたが、どちらが優れているということではありません。企業のライフサイクルにおいて0→1フェーズではエフェクチュエーションが、1→10ではコーゼションが有効で、場面に応じて双方のアプローチを組み合わせながら用いることが重要と言われています。

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mctが提供するメニューにも、エフェクチュエーションと相性がよい手法があります。
・顧客をステークホルダーと捉えて一緒に価値を作っていく「コ・クリエーション」
・短期間でデザイン上の課題の発見とインタビューによる学習を繰り返す「デザインスプリント」
・業界外のトレンドを手軽に具体的に知るための「インスピレーションソースブック」
など
ご興味のある方はぜひお問い合わせください。 

Shinpei Tsurumori株式会社mct エクスペリエンスデザイナー/ストラテジスト

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