約30社が参画しているサスティナブルイノベーションの共創プラットフォーム4Revsにて、11月30日に開催された事業開発リーンスプリントワークショップのメインファシリテーションをmctが担当いたしました。 テーマは「エクスポネンシャルビジネスデザイン」 持続可能なビジネスデザインの構成や切り口、ポイントを、ピーターさんと考案したSocial Innovation Design Canvas を使って事例を紐解きながら参加企業の皆様に学んでいただきました。 Social Innovation Design Canvasを使ったのは今回が初めてでしたが、社会課題をテーマにする場合、このキャンバスは本当に使いやすいと思います。 当日のワークショップにてピーターさんがお話された冒頭の部分について公開の許可を頂きましたの、以下の動画よりご覧ください。キャンバスについても動画内でご紹介しております。
来年度の4Revsの参加企業の募集も開始しております。 4Revsのプログラムの詳細や費用等や、上記のSocial Innovation Design Canvasについてご関心ある方は、いつでもご連絡ください。
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Yuji Kuwayama 株式会社mct DX ビジネスデザイン ディレクター
こんにちは。mctの鶴森です。 皆さんはマズローの欲求5段階説をご存知だと思いますが、 進化論や生物学の観点から建て直されたピラミッドがあるというのをご存知ですか?
提唱しているのは、心理学者のダグラス・ケンリック教授で、マズローのピラミッド(欲求5段階説)との大きな違いは、「自己実現の欲求」が「繁殖(家族)の動機」に変わっているというところにあります。 ケンリック教授はマズローのピラミッドにどのような問題を見出したのでしょうか。 著書(邦訳「野蛮な進化心理学」白揚社、ダグラス・ケンリック著)の中で「マズローは、人間の一生において繁殖が持つ中心的な重要性を語っていない。さらに、ピラミッドの上位にある自己実現の欲求を非生物学的な欲求として上位に位置付けているが、人間に特有の行為と思われるからといって非生物学的と決め付けることは間違っている」というようなことを述べています。 そして そのような問題に対して、ケンリック教授は次の図のようにピラミッドを建て直しました。
出典:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3161123/ 画像を引用し日本語訳を追記
マズローのピラミッドとの違いは大きく3つのあります。1.「頂点から自己実現の動機をなくした」 マズローは「自己実現」は生物学的な機能を持たないと考えましたが、ケンリックは人間の行動はすべて包括適応度(自分の遺伝子を未来に旅立たせるための成功度)を高める産物だという進化論の観点から自己実現にも生物学的な機能があると考えました。自己実現を極めた人は、歴史的にみればたいてい高い地位を得て、繁殖成功の確率を高めているといったことを例えに出し、自己実現を承認欲求の延長上の一部として位置付け、「自己実現の追求→他人からの高い評価が得られる→集団内での地位の確立につながる→より多くの異性とお近づきになれ、子供にごちそうを与えられる」といった機能的なメリットがあるとしています。2.「頂点に繁殖に関する3つの新しい動機を加えた」 ピラミッドの上部は「自己実現」に変わって、「配偶者の獲得」「配偶者の維持」「子育て」の3つが置かれています。 理論的な背景には、生活史理論と言われる概念があります。 生活史とは、「生物学的経済」に関する理論であり、そこには動物の成長過程において限られた資源をいつどのように割り振るかについて常にトレードオフが存在するという前提があります。また生活史は大きく二つの局面に分けられ、ひとつは身体的努力(得た資源を自らの身体という銀行口座に入金する)、もうひとつは繁殖努力(入金した資源を固体の遺伝子複製に使う)で、さらに繁殖努力は交配と子育ての2つに分けられます。人間の場合は性的成熟期に達するのに時間がかかり、パートナー探しに数年を費やし、さらに自分のエネルギーを子育てに注ぐという特徴があります。 その考え方をピラミッドに適用し、生存や社会的つながりに関する動機が、配偶者を獲得するための下支えになっていて、それが今度は配偶者との関係維持の基盤となり、次にそれが子作りや子育てといった動機を支えているといった形にしています。3.「動機を重ね合わせた表現にした」 マズローは高次の欲求を持つ芸術家などは低次の欲求を超然しているという考え方をしていましたが、ケンリックは「マズロー以降の研究からは、遅れて発達する動機は先行する動機に置き換わるのではなく、その上に形成されるという考え方が支持されている」という理由から、ピラミッドを重ね合わせることで、その時々の状況によって同時に存在する別の動機が選択されるということを表現しています。 ここまで、ケンリックのピラミッドをマズローとの違いという視点からご紹介してきました。 私自身の経験では、mctが実施したプロジェクト「Making New Things 〜アフターコロナ・ビジョニング」の中で新型コロナを通して人生が大きく変化した人たちに話を伺った際に「家族」に関する変化やニーズを強く意識している人がいて、テーマによってはケンリックのピラミッドを意識すると対象の理解が深まる場合があると実感しました。 一方、ケンリック教授の仮説では自己実現の欲求が承認欲求の一部として位置付けられていますが、フロー理論があるように純粋に創作活動に没頭している芸術家は承認欲求を意識しているわけではないと思います。またそのような意識/無意識のレベルの違いに加え、人間は生物学的な欲求だけではなく生まれてからの社会的な影響を受けて欲求が形成されるということも考えられます。そのように考えると、どちらか一方だけではなく両方のピラミッドが建てられた背景を理解した上で、あくまでも仮説として目的や状況に応じて参照することでよりうまく活用できると考えています。
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Shinpei Tsurumori 株式会社mct
エクスペリエンスデザイナー/ストラテジスト
「ファクトフルネス」という書籍をご存知でしょうか。
Q,世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう? A. 20% B. 50% C. 80%
このようなクイズを紹介しながら、人間はいかに物事を正しくとらえることができないかを紹介しています。 このような考え方は新商品・新サービスを考える上でも有効で、 自分がどのようなバイアス・フレームで物事を考えているかを把握することで、 これまでにはない発想を導き出すことができます。 mctでは新規事業開発プログラムのエッセンスを抜粋し、 バイアス・フレームの捉え方や、新しい機会の探索について ワークを交えながらのセミナーを予定していますのでぜひご参加ください。< 本セミナーのポイント > ・リフレームによる機会探索 ・探索した機会の検証アプローチ もし貴部署・他部署の方で本内容にご興味ありそうな方が いらっしゃいましたら、本内容をシェア(転送)いただけますと幸いです。
※申し訳ございませんが、定員に達しましたのでお申込みを締め切らせていただきました。 たくさんのお申込みありがとうございました。またのご参加をお待ちしております。 → セミナーについてのお問い合わせは こちら → メルマガの登録は こちら
Fumihiro Shimono 株式会社mct
ストラテジスト
大河ドラマ「西郷どん」がエンディングを迎えました。愛に溢れたリーダーが時代を切り開いていく実行力に魅了されました。 さてそんな中、西郷どんの地元薩摩の島津藩に伝わるとされる「男の順序」という教えを見かけました。
男の順序 1 何かに挑戦し、成功した者 2 何かに挑戦し、失敗した者 3 自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手助けをした者 4 何もしなかった者 5 何もせず批判だけしている者
2019年はどのような1年にしていきますか? 「何もせず批判だけしている者」ではなく、失敗してでも新しいことに挑戦する1年にして、自分を高めていきましょう。 mctでは新規事業開発プログラムのエッセンスを抜粋し、 バズワードとなっている「リフレーム」や「リーンスタートアップ」を具体的にどのように活用していくのか、事例を交えながらのセミナーを予定していますので、2019年最初の挑戦としてぜひご参加ください。< 本セミナーのポイント > ・リフレームによる機会領域の探索 ・リーンキャンバスの具体的な活用 ・ビジネスモデルキャンバスとの連携 ・顧客インタビューの意識日時 2019 年 2月 1日(金)15:00-17:00 ※セミナー終了後 17:00-18:00まではQ&Aやネットワーキングタイムになります。会場 (株)大伸社 本館1階「chika」 東京都渋谷区千駄ヶ谷2-9-9 <Access> 参加費 無料定員 30名(定員になり次第お申込みを締め切らせていただきます)※セミナーは終了いたしました。 → セミナーについてのお問い合わせは こちら → メルマガの登録は こちら
Fumihiro Shimono 株式会社mct
ストラテジスト
株式会社mctのビジネスデザインユニットでは、人間中心イノベーションのスキルを活用した新事業開発支援プログラムを自治体や企業に提供しています。
Startup Hub Tokyo(東京都) MIGAKU 〜顧客開発ブラッシュアップスクール〜 https://startuphub.tokyo/event/migaku2018
AIDOR acceleration(大阪市) ゼロイチで生み出す!一緒にアイデアを「売れるビジネス」に。 https://www.imedio.or.jp/acceleration/reports/2017-01-0405
人間中心イノベーションについての説明は割愛しますが、我々が大切にしていることは「顧客を中心にビジネスを考える」 ということです。至極まっとうな話なのですが、これが会社・組織に属している立場で考え始めると一気に揺らぎ始めます。なぜなら「これまでの慣習や枠組みから外れたくない」という、変化に対する拒否感が既存事業の本能としてあるからです。 そのため、現在の事業に新しい変化を加える新規事業開発には、既存事業の本能を超えていく大きな推進力が必要となります。そして、我々はその推進力の原点になるものが「当事者自身が顧客のことを深く理解していくこと」 だと考えています。
参加者自身がよい顧客に出会い、興味深い課題に気づき、それに対して主体性をもって前向きに取り組んでもらえるように、我々はインタラクティブなセッションを通して当事者自身に新たな視点・切り口に気づいてもらいたいと考えています。 少しスパルタなプログラムにはなりますが、そこはプレイフルな要素も取り入れながら新事業開発のマインドセットとプロセスを楽しく体感してもらえればと思います。
組織へのデザイン思考導入事例 ― サントリー食品インターナショナル様http://mctinc.hs-sites.com/blog/page/4
新規事業のビジネス開発プログラム
Fumihiro Shimono 株式会社mct
ストラテジスト