
- Saori Kameda株式会社mct
エクスペリエンスデザイナー

- Natsuki Koizumi
5/11から開催している、イノベーションとデザインの祭典<DMN Design Management EXPO 2018>もいよいよ後半戦です。5/22には、同志社女子大学・特任教授の上田信行氏をお迎えして「楽しく学び、成長することができるプレイフルな働き方-PlayfulWork-」と題したワークショップが実施されました。
DMN Design Management EXPO2018

PlayfulWorkというのは、単なる楽しいということではなく、コンフォートゾーンから出て学び、成長するワークスタイルのことです。PlayfulWorkでは、自らのコンフォートゾーンを守ろうとするFixed Mindsetではなく、コンフォートゾーンを飛び出そうとするGrowth Mindsetであることが求められています。しかしながら実際には、人間は誰しも両方のマインドセットを持っており、人間のマインドセットを変えるということはそもそも難しいというのも事実です。(従来のリーダーシップ研修はそれをやらせようとしているのですが・・・)
一方で、道具・一緒に働く人々・空間といったファクターは、人のマインドセットに大きな影響を与えています。プレイフルワークデザイナーはそこに注目し、道具・一緒に働く人々・空間を使って組織やチームのGrowth Mindsetを高めていくのです。

mctでは、上田先生とともに、従来のリーダーシップ研修とは全く異なる方法で、組織に求められる新しいリーダー=プレイフルワークデザイナーを育成するプログラムをご用意しています。ご興味のある方は、下記リンク先の問い合わせフォームよりお問い合わせください。
→お問い合わせはこちらから

- DMN WORKSHOP
こんにちは。mctの鶴森です。
「エフェクチュエーション」という言葉をご存知ですか。
「エフェクシュエーション」とはバージニア大学ダーデン経営大学院のSaras Sarasvathy教授が提唱している理論で、成功した企業の創業者を研究して導き出した、優れた起業家の意思決定の理論です。それ以前は、起業家の特徴は、生まれ持った資質や運などで語られていたのですが、共通の理論や思考プロセスを体系化したことで、注目されてました。(邦訳「エフェクチュエーション」碩学舎、サラス・サラスバシー 著)
Sarasvathy教授は、エフェクチュエーションの反意語として、「コーゼション」を挙げています。 「コーゼション」とは、目的からスタートし、目的を達成するには何をすればいいかを考え、特定の結果を生み出すための手段を選択するという意思決定プロセスのことを差します。STPマーケティングなどの教科書的なアプローチがコーゼションにあたるので、イメージしやすのではないでしょうか。その前提には、未来は不確定なものだが、できるだけ予測して進めていく「未来は予測できるかぎりコントロールできる」という考えがあります。
一方、エフェクチュエーションは、特定の手段からスタートして、それらの手段を使って何ができるかを問い、可能な限りの結果をデザインしていくというアプローチです。その前提には未来は不確定なものだから、自ら影響を与え変えていくものであり「未来はコントロールできる限り予測する必要はない」という考えがあります。
比喩として、エフェクチュエーションは手持ちの生地を自由に組み合わせながら全体像を作り上げていくパッチワークキルトのようなもの、コーゼションは全体像が見えていてピースを埋めていくジグソーパズルのようなものに喩えられます。
「手段からスタートして結果をデザインする」「未来はコントロールできる限り予測する必要はない」といわれても具体的にどう行動すればよいのかイメージしにくいですが、Sarasvathy教授はそのためのテクニックを5つの原則として具体化しています。
エフェクチュエーションの5つの原則(熟達した起業家の意思決定基準)
1)「手中の鳥」の原則
自分が今持っている手段「自分は誰か、何を知っているのか、誰を知っているのか」からスタートして、可能な結果をデザインする。(⇔コーゼションでは、目的や特定の結果からスタートして手段を選択する)
2)「許容可能な損失」の原則
いくらまでなら損してもよいかコミットする。(⇔コーゼションでは、いくら儲かるのかリターンを最大化することに焦点を合わせる)
3)「クレイジーキルト」の原則
顧客や競合をパートナーとして交渉し、ステークホルダーが提供してくれる資源を柔軟に組み合わせて価値のあるものを作りだす。(⇔コーゼションでは、顧客や競合を自分と切り分けて分析の対象とする)
4)「レモネード」の原則
不確実性や予期せぬ出来事をリソースと捉え梯子として活用する。すっぱいレモンをつかまされたら、レモネードを作れという格言があるそうです。(⇔コーゼションでは、不確実性を避け、克服し、適応する)
5)「飛行中のパイロット」の原則
予測に頼らず、常に状況監視とコントロールを怠らない。それは予想外の機会を知る手段であり、最悪の自体を克服するための鍵。(⇔技術年表や社会経済学的なトレンドのみを活用する)
ここまで、エフェクチュエーションとコーゼションを対比させて見てきましたが、どちらが優れているということではありません。企業のライフサイクルにおいて0→1フェーズではエフェクチュエーションが、1→10ではコーゼションが有効で、場面に応じて双方のアプローチを組み合わせながら用いることが重要と言われています。
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mctが提供するメニューにも、エフェクチュエーションと相性がよい手法があります。
・顧客をステークホルダーと捉えて一緒に価値を作っていく「コ・クリエーション」
・短期間でデザイン上の課題の発見とインタビューによる学習を繰り返す「デザインスプリント」
・業界外のトレンドを手軽に具体的に知るための「インスピレーションソースブック」
など
ご興味のある方はぜひお問い合わせください。

- Shinpei Tsurumori株式会社mct
エクスペリエンスデザイナー/ストラテジスト
■ミニバンカスタマイズリサーチ~コンセプト開発
ホンダアクセス様(純正用品の開発、生産、販売メーカー)


先方PJメンバーの方がフィールドワークを実施され、ミニバンカスタマイズの新価値仮説を開発。先方担当者を交え、その仮説をユーザーに提示し、検証や潜在ニーズを探っていく、コ・クリエーションユーザーリサーチを実施。これまでになかったミニバンのインサイトと潜在ニーズを獲得し、それらの情報から新しいミニバンの方向性、コンセプトを開発した。
■取組内容
・コ・クリエーションユーザーリサーチ
・分析共有セッション
・コンセプト開発セッション
■取組のプロセス

■活用
後に先方にてオデッセイを利用したプロトタイプモデルが製作され、東京オートサロン2018に出展。

オデッセイ・クロスクルーザー
※この記事は、ホンダアクセス様の許可を得て掲載しております。

- Shuichi Jouriku株式会社mct
エクスペリエンスデザイナー/エスノグラファー