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May 28, 2020 09:00 Blog|Remote Design Week Report vol.3 -リモートでチームの創造力を高めるFigmaの働き方-

Remote design week vol3


Remote Design Weekレポートvol.3ということで、今回は、様々なデジタルツールを使ったチームでの仕事の進め方についてのセッションをご紹介します。スピーカーはfigmaでデザインディレクターを務めるNoah Levinさん。figmaで働く前にはGoogleやFramer、NASAなど様々な業界で活躍されていたそうです。
本セッション「Figma’s Remote Design Process」では、リモートで働くチームのノウハウやデジタルツールの活用方法など、Figmaならではの仕事の進め方が紹介されていました。いかに心理的安全性を高めながら創造性を引き出すか?
”チームでのコラボレーション”を中心にセッションの内容をご紹介していきたいと思います。

※figmaとは:ブラウザ上でも作業が可能なデザインツール。オンラインで複数人での共同作業が可能なことが大きな特徴。



1. オンラインにこそメンバーの”リアル”を感じさせる雑談を

リモートワーク中心になる前は、会社で他愛もない会話をしたり、少し雑談をしたりといった時間があったかと思います。リモート中心のコミュニケーションが増えた今、Levinさんたちのチームでは、画面の中で仕事以外のことを話す機会を積極的に作っているそうです。メンバーの1人がバーチャル背景を使って自分のマグカップコレクションを写し他愛もない話をしたり、メンバーの週末の振り返りなどをアイスブレイクとして、ミーティングを進めていきます。
zoomを使えばメンバーの好きな音楽をシェアすることもできるので、みんなでプレイリストを作ってコーヒータイムを楽しんでいるそうです。そうしたゆとりのある時間がチームが前向きになることに寄与しているそうです。
こうやってチームメンバー同士がカジュアルに話せる場作りというものは、リモートで働くにあたって重要な時間になっていそうだなと感じました。


2.チームワークを高める週単位のコミュニケーション

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Levinさんのデザインチームでは、月曜の朝にはWarm-upというミーティングが設けられており、チームメンバーお互いの予定を共有したり、チームとしての1週間の計画を立てたりする時間を作っています。ここではお互いが興味を持っていることやチームとして改善したいこと、デザインレビューのやり方についてなど様々なテーマについて話す場となっています。このWarm-upは週によってはキャンセルすることもあり、月に3回くらいのゆったりとしたペースで進められています。週の初めはその前の週のポジテイブなニュースの振り返りを皮切りに今週のタスクについて各メンバーが説明を行なっていきます。この週のタスクや行うべきミッションについてメンバーで共有をし、ミーティング内容はnotionに一括管理しており、それぞれのタブに回ごとのディスカッション内容がまとめられています。

※Notionとは:タスク、Wiki、およびデータベースを統合するメモアプリケーションサービス。メモ作成、プロジェクト管理、タスク管理を行える。


普段のコミュニケーションにおいてはslackがコラボレーションのツールとして採用されています。slackの中の「design-crit-crit (デザイン批評)」というチャンネルでは、メンバーそれぞれがうまくいっていないことや、もっと良くできると思うことなど、日々の考えやメンバーの思いを共有する場が作られています。日々のメンバーの投稿は集約され、製品自体の改良やチームマネジメントに活用されています。

※slackとは:Stewart Butterfieldによって開発されたチームコミュニケーションツール。 トピックごとの「チャンネル」がありその中でメッセージなどをやりとりすることができる


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そして週の終わりには、Cool downと呼ばれるリラックスした時間が設けられています。ここでは、リラックスした雰囲気の中で、チームで何か新しいことを学んだり、一緒にゲームやWSをしたりして、協働作業をするためのノウハウやナレッジが多く共有されています。ある時はfigmaのペンツールを使って絵しりとりのようなものをやってみたり、またある時にはfigmaのプラグインを使ってゲーム”マリオパーティ”を真似たボードゲームを作ってみたりと、様々な試みがなされる創造的な実験の場となっているようです。

週のはじめのWarm upからおわりのCool downといった風に最適なリズムで仕事のプロセスがデザインされています。


3.フィードバックの質を高めるFigmaの6つのフレームワーク

figma社では、製品、仕事の質を高めるために「フィードバックを行うこと」を非常に重要視しています。セッションでは6つのフィードバックのフレームワークが紹介されていました。以下が6つのフレームワークです。

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① Standard critique
「プレゼンテーション」→「講評」スタイルの一般的なフィードバック方法です。

② Jam / Workshop
ブレインストーミングやクレイジー8(白紙を8つ折りにして制限時間内に1つの枠内に1つのアイデアを出していく手法)、グループでのスケッチワークなど共創型のフィードバック方法です。デザインプロセスの初期やアイデアに行き詰まった時は特に有効です。

③ Pair Design
2-3人の少人数グループでアイディエーション、フィードバックを行う方法です。大人数でのワークよりもより柔軟で実践的な取り組みが可能になります。

④ Silent Critique
口頭でのフィードバックではなく、全員がデジタル上で対象へフィードバック(コメント)をしていきます。多くのレビューが必要なときに有効です。またオンライン上で行うため、いつでもメンバーがフィードバックできることも特徴の1つです。

⑤ Paper Print-Out
印刷した対象物を壁に貼ってレビューする方法です。オープンで、共創的な場作りをするのに役立ちます。

⑥ FYI
クイックな共有と軽い議論をする(もしくは議論は後日行う)方法です。まだ深く議論するような内容が定まっていないときや取り急ぎ情報を共有するときに使われます。

その中でもオンラインならではのレビュー、フィードバックの方法についてご紹介します。
④のSilent CritiqueはLevinさんらが最もよく使っているフィードバック方法だそうです。メンバーそれぞれが付箋のようなものでコメントやメモを残していく方法です。一般的な口頭でのフィードバックだと声の大きい人の意見に傾いてしまう傾向がありますが、それに比べると発言への抵抗感を下げることができ、様々な人からのコメントを得ることができます。figmaではコメント機能があるので、このように大量のコメントがメンバーから出されているようです。

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また②Jam / Workshopでのフィードバックもよく使われています。figmaを使ってアイデア出しをすることで、プロジェクトの初期段階でも様々なアイデア、意見を得ることができます。
これらはオンラインならではのスピード感や公平性を生かしたフィードバックの方法だと思います。


おわりに

多くの方たちにとってリモートで働くということがより当たり前になってきた今、日常の業務やチームでの関わり合い方もリアルの場から大きく変わってきています。figma社では、プロセスに参加している人が多ければ多いほど、より多く学ぶことができると考えられているそうです。リモート環境下でもメンバー同士で積極的なコミュニケーションをとり、多くのフィードバックをし合いながら、製品・サービス・環境をより良くしていく。また彼らの組織カルチャーを支えているのがリモートコラボレーションツールです。リモートワークをきっかけに、リモートコラボレーションツールをうまく活用して、メンバーの心理的な負担を取り除いたり、創造性を引き出す仕組みを取り入れてみてはいかがでしょうか?アフターコロナは、自分たちの組織に合わせたチームビルディングのチャンスともいえるでしょう。



他のmctのRemote Design Weekに関する記事はこちら
・Remote Design Weekについて
・「Insights in Design and Business During COVID-19」(コロナ禍におけるビジネスとデザインのインサイト)



アフターコロナビジョニングについて

アセット 8@4x


「Making New Things 〜アフターコロナ・ビジョニング」は、コロナショックをテーマに株式会社mctが主催するデザインリサーチプロジェクトです。全てのプロセスをオンラインで行い、下記の3つの活動を主活動としてアフターコロナの未来創造を支援します。このプロジェクトへの協賛企業を募集しています。

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May 07, 2020 02:00 Blog|リモートワークの時代。チームカルチャーはどうなる?vol.2

team culture

Vol.1では、リモートワークがもたらした課題、課題解決の鍵である「チームカルチャー」とは何か、それを強固にしていくためのヒントについて紹介しました。今回は、リモートワークで「離れていながらにして、どのようにしてチームカルチャーを築くことができるか?」ということに焦点を当てて考えていきます。

Vol.1「チームカルチャーとは何か?」はこちら

離れていながらにして、チームカルチャーを築くには?
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"強いカルチャーを創造するために、物理的に全員が一緒にいる必要はありません。
最高のカルチャーは、人々の実際の行いから生み出されます“
—ジェイソン・フリード(「ベースキャンプ」共同創設者兼CEO)



リモートワークは、チームカルチャーの中にある既存の問題を増幅させてしまうことがあります。メンバーと常に連絡を取り合ったり、サポートを受けられなかったりする環境下では、より顕著に問題が発生する可能性も否めません。しかしそれと同時に、リモートワークはこれらの問題を解決し、チームがより良い仕事ができるようになるための素晴らしい機会にもなり得るのです。

リモートワーク中でも、チームの一体感を感じ、安全で信頼できると感じられることは、各メンバーが積極的にリスクをとって活動をするために必要不可欠な要素です。多少リスクを感じるような挑戦がなければ、仕事のパフォーマンスをより高いレベルに引き上げ、よりエネルギッシュに活動し、結果的に満足度の高いライフワークバランスを実現するということも難しくなるでしょう。

は、リモート環境でもチームカルチャーを維持し、非リモート環境と同等あるいはそれ以上に強固なものにするためには、どのような動機付けが必要でしょうか?

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リモートでチームカルチャーを醸成するためのポイント

✔︎ 有意義な仕事を定義し、優先する
リモートワーク時は、常に仕事をしているということを同僚に示すため、すぐにチャット等の要求に応えなければと感じがちです。しかし、中断されるべきではない有意義な仕事を定義してそのための時間を確保したり、他のメンバーに予め伝えたりしておくことで、チームとしての生産性を高めることを意識しましょう。

✔︎ 仕事の方針を明確にする
"フレキシブルな働き方 "や "リモートワーク"は、人によって異なる解釈をされることがあります。メンバーは毎日一定時間、オンラインにしておくことが必要? 定期的に本社に出向く必要は? メンバーに空気を読ませるのではなく、会社あるいはチームとしての方針を明示することが必須です。

✔︎ クリエイティブなやりとりでつながる
SlackやTeamsなどのプラットフォームを介して、「読書会」のように、仕事に関連するトピックを共有するための場をつくります。仕事とは関係がなくても、写真や考えの交換、オンラインでのハッピーアワー(お茶会や飲み会)やお料理教室など、お互いのクリエイティビティが刺激されるような仕掛けがつながりを生みます。

✔︎ 適切なハードウェアとツールでサポートする
自宅で働くことは、オフィスと同じようにというわけにはいきません。働くために整っていないスペースを無理やり作業エリアとして使うことも多々あります。あなたのチームが快適な作業環境を得るために、必要なハードウェアやツールという面からもサポートを提供しましょう。

✔︎ 相手の置かれた状況を理解し、信頼を築く
誰も見ていないのに仕事をしなければならないため、リモートワークではなおさらお互いの信頼が重要です。マネージャーと従業員とはお互いに、仕事の問題、また時にはパーソナルな問題に誠実に向き合う必要があります。自分のことだけではなく他者の目線に立ち、お互いの人間的なニーズを考慮して行動することが大切です。




「心理的安全性」が信頼を築くための一歩となる
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リモートワークでは、「時間」や「人との交流」がより散発的で、貴重なものになります。メール等のコミュニケーションでは、対面と同じ量のやりとりを行うことはできません。そのため、自分の意見を述べたり、質問したりするには今まで以上の「努力」が必要とされます。実際にオンライン会議では、「これはテーマと関連性が高いコメントか?」「意味のある質問か?」ということを瞬間的に判断し、発言を躊躇してしまう場面も多くあるのではないでしょうか。

こうした考え方の変化に、トップの皆さんはより敏感になってください。リーダーは日頃から、メンバーがお互いにオープンで、自然なやりとりができるよう配慮すべきですが、リモートの場合はさらに、一見誰からも気づかれにくい「孤立」により多くの注意を払う必要があります。例えばミーティングの始めに、メンバーに積極的に意見を求め、「どんなコメントや質問でも、チームにとって貴重でポジティブなインプットになります」と伝えることが、すべてのチームメンバーの参加を奨励することにつながります。

コミュニケーションとコラボレーションを向上させるためには、対面の場合と同様に、それぞれのチームメンバーが自分の仕事や人生についての意見をオープンに、自信を持って共有できるスペースやプラットフォームが用意されている必要があります。
ハーバードビジネススクールのエイミー・エドモンドソン教授は、こうした、率直に意見したり質問したりしてもこのチームでは安全であるという、チームメンバーによって共有された考えのことを「Psychological Safety(心理的安全性)」として定義づけています。(この概念に興味がある方は、「心理的安全性」というキーワードで検索してみてください)

先述した「リモートでチームカルチャーを醸成するためのポイント」は、組織での立場や働く場所に関係なく、チームメンバーが自分の意見が取り入れられている、と感じるための鍵となります。そしてそれは、ベースとして「心理的安全性」が担保された場だからこそ、実現可能であることを忘れないでください。

今の状況だから「仕方ない」と諦めますか?
いえ、今の状況を「機会」として捉え、これからの働き方を、さらに上位のレベルへと革新していきましょう!


mctでは、リモート下におけるオンラインツール(ZoomやMiroなど)のスキルアップ、チームビルディングのためのオンラインワークショップを企画中です。
また、海外のオンラインでのリモートエスノグラフィも引き続き実施しています。変貌していく世界の生活者の価値観についてコンテクストの理解を深めながら、機会探索のサポートをいたします。お気軽にお問い合わせください。



記事原文:Victor Corral 日本語編集:池田 映子





●Playful NetWorkのお知らせ

mctは2019年に、これからの新しい働き方について考える参加型コミュニティ「Playful NetWork」を立ち上げました。会社や業界の枠を離れて、個人の方でも気軽に参加できる実験的な場です。EX(従業員経験)や、組織の中でイノベーションが生まれやすい環境をデザインしていくことにご興味のある方は、下記のFacebookページもぜひチェックしてみてください。

https://www.facebook.com/groups/PlayfulNetWork/

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定期的なオンラインイベントも開催中です!

Victor Corral株式会社mct エクスペリエンスデザイナー

May 07, 2020 01:00 Blog|リモートワークの時代。チームカルチャーはどうなる?vol.1

team culture

パンデミックは多くの人々の生活にネガティブで暗い影響を与えていますが、同時に、組織や企業、社会にとっては、自らを再定義し、新たな現実に即した運営モデルを模索する機会にもなっています。その機会をもたらした大きな変化の一つは、多くの企業が在宅ワークを—多くの場合は強制的に—採用したことです。

リモートワークがこれからのスタンダードに
リモートワークは、それ自体は新しいことではなく、グローバル企業を中心に数年前から世界中の企業が採用していました。しかし今回のように半ば強制的に、十分な準備期間もなくリモートワークが推進される中で、下記のような課題と、新しい機会が浮かび上がってきました。

 - ホワイトボードやPost-itなど、共同作業のための物理的なツールが使えない
 - 新しいデジタル・ツールをマスターするのに労力がかかる
 - ボディランゲージや非言語情報が欠落し、コミュニケーションが取りづらい
 - 気が散る環境下で、なかなかワークに集中できない
 - 直接会うという形で、チーム文化を確立することが難しい



ここで、このリストの最後の項目に着目してみましょう。離れていながらも、強力なチームカルチャーを構築することができれば、リストにある他の課題の解決に近づくことができるのではないかと私たちは考えました。 ではどのようにすれば、強いチームカルチャーを構築し、私たちのリモートワークをより充実させ、そのメリットを最大限に引き出すことができるのでしょうか。



What is Team Culture ?
チームカルチャーとは、個人のパフォーマンスや個性、態度のことを問題にしているのではありません。大切なのは、メンバーがどのようにまとまりのあるユニットとして一緒に仕事をしているか、各メンバーがどのように他のメンバーと連携し、より良い結果を生み出すために自分のスキルを効果的に提供できているか、ということです。



チームカルチャーは、下記の3つの柱を中心に構築されています。

・信念
全てのチームメンバーが信じていること、指針となるメンタリティ、スタイル、ルール。
・行動
それぞれのメンバーの実際の振る舞い、行動。
・ツールと環境
メンバーが本来あるべき行動ができるようにサポートするためのデバイス、ソフトウェア、適切な作業スペース(自宅も含む)など。

01-7チームカルチャーを構成する3つの柱



強いチームカルチャーを構築するには?
強いチームカルチャーを構築するために、チームがコントロールできる側面には色々なものがありますが、これから紹介する考え方は、先述した3つの柱「信念」「行動」「ツールと環境」を効果的にサポートすることができます。

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強力なチームカルチャーをつくるために

✔︎ 最適な人材を採用する
確実にチームに最適な人材のみを採用することで、チームカルチャーの形成プロセスが大幅に容易になります。

✔︎ 儀式と伝統をつくる
特定の活動やプロセスは、友人や家族などのグループによって繰り返されることで「伝統」となっていきます。同じように、チームメンバーと一緒に特別なプロセスを作り上げることは、チームの結束力を保ち、オープンなコミュニケーションと信頼関係を築くことに寄与します。

✔︎ 責任感を醸成する
チームメンバーは、自分の仕事が、全体的な文脈の中でどこに当てはまるのかを理解する必要があります。それにより、各人が自分の仕事に責任を持つと共に、メンバー間のつながりや相互に補完しあっている存在であることを再認識することができます。


✔︎ オープンな環境をつくる
メンバーが自分の意見を表明することを恐れないような、かつ敬意を持って発言できるような、オープンな環境づくりを心がけます。全員に発言権を与えることで、より多くの異なる視点や意見を取り入れることができるようになります。

✔︎ ディスカッションと改善を繰り返す
定期的にメンバー全員と話し合う機会を作ります。チームとしてどのように仕事をしているか、自分の価値観は何か、期待や恐れは何か。そして団結力のあるユニットとして成功するために自分たちは何をすべきかを話し合うことで、向かうべき方向を再確認します。



今回は、リモートワークがもたらした課題、課題解決の鍵である「チームカルチャー」とは何か、それを強固にしていくためのヒントについて紹介しました。Vol.2では、リモートワークで「離れていながらにして、どのようにしてチームカルチャーを築くことができるか?」ということに焦点を当てて考えていきます。


Vol.2「離れていながらにして、チームカルチャーを築くには?」へ続く

記事原文:Victor Corral 日本語編集:池田 映子





●Playful NetWorkのお知らせ

mctは2019年に、これからの新しい働き方について考える参加型コミュニティ「Playful NetWork」を立ち上げました。会社や業界の枠を離れて、個人の方でも気軽に参加できる実験的な場です。EX(従業員経験)や、組織の中でイノベーションが生まれやすい環境をデザインしていくことにご興味のある方は、下記のFacebookページもぜひチェックしてみてください。
https://www.facebook.com/groups/PlayfulNetWork/

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定期的なオンラインイベントも開催中です!

Victor Corral株式会社mct エクスペリエンスデザイナー

Apr 24, 2020 02:00 Blog|中国のリモートワーク最新トレンド

How Do Chinese People Work from Home?-1


新型コロナウィルスの影響により、日本よりも一足先に、リモートワークが加速した中国。
これからの日本での働き方にとって何かヒントになることはないかと思い、クイックにリサーチを実施しました。



◆コロナウイルスの感染拡大前の中国のリモートワーク◆
リモートワークをしている労働者(以降:リモートワーカー)は、全労働者の1%に過ぎませんでした。各国と比較してみてもその水準は高いとは言えませんでした。

リモートワーカー数-1出所:Mob 研究院 2020疫情下的远程办公 行业洞察




◆コロナウイルスの感染拡大後の中国のリモートワーク◆

しかし、武漢でのコロナウイルスの感染拡大に伴って、多くの会社が春節休暇を2月まで延長。2月に入ってからは、リモートワークツールが完備されていき、家での仕事が可能になり、通常通り稼働し始めました。約200万人だったリモートワーカーの数が、2月以降、指数関数的に増加していきます。2月10日時点では、3,300万人となり累計でリモートワーカーは4億人を突破するまでになりました。
ほとんどの人が、これを機に初めてリモートワークを体験。そのため、今後の中国での働き方に対する考え方に大きな影響が出ることが予想されます。

リモートワーカー数
出所:Mob 研究院 2020疫情下的远程办公 行业洞察




◆中国の巨大IT企業がリモートワークサービスへ参入◆

新型コロナウイルス発祥地である中国・武漢市ではロックダウン措置が取られました(4月8日解除)。そして、多数のIT企業がリモートワークのソフトウェアやプラットフォームの開発に注力しました。

下記の図は感染拡大の間、巨大IT企業が無料で提供したサービスの一覧です。中国の急速なリモートワーク拡大の背景に、IT企業が率先してこのような支援活動を展開したということが関係していそうです。このような時でもブランド力を高め、社会貢献という「意味」を高める活動に素早く着手するという姿勢には、日本企業も見習うべきところがあると思います。

リモートワーク参入-4




◆中国のリモートワーカーの実態◆

上記のリモートワークサービスを用いて、リモートワーカーはどのような働き方をしているのでしょうか?SNSリサーチと弊社の簡易インタビューでの実際の声を聞いてみましょう。


a1-3 アリババ社員


“働き方は、結構規定されたもので、毎朝午前9時に朝礼がビデオ会議で行われています。”


“月に1回、部署間で、作業タスクを共有する「大集会」を開催しています。朝9時に始まり、夜11時に終わる大規模なものです。”

“母親が珍しがって、私のオンライン会議の様子を見に来たりしました(笑)。家族にとっても、私の仕事を知ってもらう良い機会になったと思います。”

a2-1朝礼の様子
引用元:https://www.bilibili.com/video/BV1s7411E7a2/

a3

アリババでは、メッセンジャーアプリを通じて、毎日従業員に健康状態(COVID-19関連)を提出するように求めています。
このレポートサービスは他の企業でも使用されており、毎日約1億人が自分の健康状態を報告していました。
Alibabaの DingTalk アプリ

 


t1 テンセント社員


“通勤時間も掛からず効率的に時間を使え、柔軟に働けたり、両親と過ごせる時間が増えたりするので、リモートワークは好きですね。

“社会的な活動ができず同じような毎日を送って、気持ちが晴れない。そんな時チームにとって重要なのは、カジュアルな会話を交わすこと。それは、チームを結びつけるだけでなく、社会的な繋がりを感じさせるものになると思います。”

 


 md-1  美団社員


“私たちのチームは、毎朝9:30にミーティングをし、その日のTo Doリストを作成。その日の終わりに進捗を報告することにしています。”

“コロナ以前は9時から21時までオフィスで働いていましたが、現在は状況が悪化しています。チャットグループでは昼夜問わず絶え間なく仕事に関連するディスカッションが行われています。

私はオフィスに戻りたいと思っています。より効率的に仕事ができるだけでなく、対面でカジュアルな会話をしたり、少し歩いたりすることもできるからです。”

 


xi シャオミ社員


“まず問題になったのはコミュニケーション。気軽に誰かのところへ行って話すことはできません。 簡単なことでさえ、テキストだけで説明するのは難しいと感じました。”

自己規律も新たな問題として浮上しました。家とオフィスではそもそもの目的が異なっています。突然家で仕事をすることになるので、仕事前後には気持ちの切り替えが必要になってきます。”





◆中国のリモートワーカーの実情から見えてきたもの◆
主に中国のIT企業で働く社員のコメントからいくつかの発見がありました。


1. デイリーなミーティングとレポートによるマネジメント

チームの生産性を高めるマネジメント上の工夫が行われていました。例えば、毎日定時にミーティングをしてタスクを共有したり、終業時には進捗を報告したりするといったルールが作られていったようです。ある程度規律あるルールが存在することで気持ちのメリハリがつきそうですね。ちなみに現在中国では、「タワー」とアリババが所有する「チームビション」がタスク管理サービスの2強のようです。

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2. カジュアルな会話が創造性の源泉
リモートワークだと、ちょっとした内容でも、意図したことが伝わらないことがあります。またプライベートな会話が減ることで、チームの絆や社会的なつながりも希薄になりがちに。
実はこれまで「無駄話」と呼んでいたインフォーマルな会話によって、本当に伝えたい意図が効果的に伝達できたり、心理的な安全性を回復したり、さらにはアイデアの種や問題解決のヒントが見出されたりということがあるようです。


3.「儀式」を取り入れよう!
自宅を「仕事をする場所」だと心理的に理解できず、”気持ちの切り替えがうまくできない”という問題が発生しています。中国の有名なSNS微博では、多くの人が在宅勤務時の「儀式」の重要性について言及。こうした「儀式」の感覚は、仕事とプライベート間の「区切り」として機能します。例えば、「5分間の瞑想」、「フォーマルな服装」、「オフィスに行くふりをする少しの散歩」が有効だと言われています。皆さんも自分に合った「儀式」を見つけてみてはいかがでしょうか。


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以上、中国のリモートワークの実情について調べてみました。各国のリモートワーク事情について、さらに分析を深めると、それぞれの国の慣習や文化、企業風土といったコンテクストの影響を受けて、国独自の生活者の価値観が浮き彫りになってくるでしょう。

mctでは、引き続き海外のオンラインでリモートエスノグラフィを実施しています。特に中国では、デジタル環境が整っており、クイックにインタビューしやすい環境になっていることが想定されます。変貌していく世界の生活者の価値観についてコンテクストの理解を深めながら、機会探索のサポートをいたします。

また、合わせてリモート下におけるEX(Employee Experience:従業員経験)向上のサポートのご相談もお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

次回のブログでは、「リモートワーク下においてチームワーク文化を育むために何が必要なのか」についてお届けする予定です。どうぞお楽しみに!


記事原文:趙 展   日本語編集:飛岡 憲

Zhan Zhao株式会社mct ストラテジスト

Apr 22, 2019 09:59 [seminar]エスノグラフィーによる他国比較からのビジネス機会発見

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海外でインサイトを得て、国内もしくは国外で新しいビジネス機会を発見するためには、
視野を広げ大きな範囲で物事を捉えながら現地理解を行う必要があります。
合わせて、自国と他国の行動や文化的背景等の相違点を探り、自らのバイアスに気づくことも必要になります。

本セミナーでは、実際過去にmctが行なったリモートエスノグラフィ*やセルフドキュメンタリー**を活用し、
一連のプロセス ” シンガポールとベトナムの家事を観察 ~インサイト抽出~ 3カ国(シンガポール、ベトナム、日本)の家事の比較 ” を通して、得られた気づきを横櫛に分析することのメリットやイノベーティブなアイディアを出すプロセスを体験していただきます。


本セミナーのポイント
 ・海外エスノ調査から分析やアイディエーションの”コツ”を知る
 ・リモートエスノグラフィー*、セルフドキュメンタリー**の理解と活用方法を知る

本セミナーの受講をおすすめする方
 ・グローバル人材への成長を望まれる方
 ・複数の国での調査を考えている方
 ・気軽にエスノグラフィに取り組みたい方
 ・他国での家事について関心をお持ちの方

本セミナーの内容
 1. イントロダクション
  エスノグラフィ/デザイン思考 グローバルエスノグラフィのマインドセットと手法
 2. エスノグラフィ(シンガポール/ベトナム)
   彼らの生活実態から気づきを抽出するトレーニングをします。
 3. 分析トレーニング
   観察から得た気付きを分析し、
  「3カ国(シンガポール、ベトナム、日本)に共通した」 「国ごとに異なる」 インサイトをそれぞれ獲得します。
 4. アイディエーション
   得られたインサイトをもとに、ユーザー中心のアイデア発想法を用い
   アジア/日本のためのアイデアを創出します。


 *リモートエスノグラフィ・・・
 リアルタイムに海外と繋がり、ネットを介して、海外ユーザーとインタラクティブなインタビューを日本にいながら実施する手法。コストや時間の削減になる上、日本の会議室で実施するため多くのメンバーがインタビューに参加できることが特徴。

 **セルフドキュメンタリー・・・
 サービスや製品を普段どのように使用しているか等の写真や動画を、海外ユーザー自身に記録してもらう手法。
 インタビューの前に実施することで、仮説の構築やインタビュー設計に役立つ。


※申し訳ございませんが、定員に達しましたのでお申込みを締め切らせていただきました。
たくさんのお申込みありがとうございました。またのご参加をお待ちしております。

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Shiho Ishihara株式会社mct エクスペリエンスデザイナー

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