今回は米国ピッツバーグのOZA社よりJames Forrさんをお迎えし、ZMETを使った事例をいくつかご紹介して頂きました。
Jamesさんは、これまで1400を超えるZMETインタビューを実施し、Pepsi・IBM・Bank of America など数々の大規模なプロジェクトを主導してきました。
一体、ZMETの調査からどのようなディープメタファーを特定し、消費者に選んでもらえる商品やサービスを
生み出す戦略に活かしてきたのでしょうか?
Jamesさんのお話にあったZMETの活用シーンをテキストにまとめてみました。
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メタファーのわかりやすり例として、私たちは、人生の早い段階で座る、這う、歩く、走ることを学び「バランス」という経験をしています。そして、バランスを保つことが良い事だと学び、逆にバランスを失うことは悪いことかもしれないと学びました。このように、私たちは過去の身体的な体験(メタファー)を用い、生涯を通して新しい物事を理解していきます。そのため、消費者理解においても、彼らの心の中で実際に何が起こっているかを理解するために、水面下に潜ることが非常に重要だと言えます。
他にもJamesさんは彼のブログの中で、B2Bの購買決定における感情の重要性について紹介しています。
B2Bのマーケティングは合理的な議論に頼る傾向があり、感情的な主張はできない事が多いため、
組織の担当者は間違った選択をすることへの恐怖、購入後の安心感や保証へのニーズ、組織内でヒーローのように見られたいという願望を抱えていると示唆しています。
B2Bでエモーショナルなブランドを構築するためのさまざまな課題について論じられていますが、その中でも感情をうまく取り入れたマーケティング活動の事例を3つご紹介します。
Caterpillarの例:
道路やオフィスビルを建設するブルーカラー労働者をヒーローに仕立て、
ブランド好感度を18%向上させました。
IBMの例:
ソリューションを開発者に募るグローバルコンテストで、今年で4年目を迎えます。
これらのソリューションは、IBMのオープンソース・ソフトウェア・ツールをベースに
構築されます。現在、30万人以上の開発者が参加するブランドコミュニティを誇っています。
SAPの例:
途絶への不安や、リモートワークへの懸念など、COVIDに関連するビジネス上の課題を軽減しました。
これが功を奏し、SAP Ariba Discoveryの新規サプライヤー登録数は4,000%増加しました。 朝食用コーンフレークを買うにしても、新しいブルドーザーを買うにしても、人は人であり、
すべての決断には感情がつきものだということを記事では強調しています。
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- mctは、国内唯一のZMETライセンス企業としてZMET調査を実施しています。
- ZMETを活用し、顧客に選んでもらえる商品やサービスを一緒に生み出しませんか?
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- Shoko Strang株式会社mct カスタマーサクセスアソシエイト

- Michiru Watanbe株式会社mct エクスペリエンスデザイナー

こんにちは、mct CXチームの増田です。
日々リサーチをしていると、対象者の方の発言にハッとさせられる瞬間が多々あります。「生の声」の持つインパクトは大きく、特にそれが自社ユーザーのものであった場合など、皆さんも興味津々なのではないでしょうか。
一方で、ユーザーの生の声からダイレクトに商品開発につながったとか、新規ビジネスが始まったとかいうケースは、あまり耳にしません。(あくまで私の主観です)
やはり「生の声」は未加工の「ローデータ」なので、そこから一歩先の「考察」が不可欠です。自戒を込めて書きますが、「ユーザー中心」の考え方が陥りがちなリスクとして、「ユーザーリサーチの結果に過度に引っ張られるあまり、考察が不十分になってしまう」という点があると思います。ユーザーに共感することは大切ですが、彼らの発言を絶対的な “印籠”のように取り扱うと、最悪の場合、自らの頭で思考しなくなってしまうことも起こり得ます。
では、こういった事態を避けるためにはどのようにすればいいのでしょうか? 活発な議論や深い考察を促すおすすめの方法を、今回は3つご紹介します。
❶ユーザーリサーチそのものを、未来志向にデザインする

例えば、自分たちが一朝一夕には共感できないような対象者をリクルートしてみましょう。いわゆる「エクストリームユーザー」と呼ばれるような人たちや「イノベーター」と称される人たち。彼らの発言や行動は、今の私たちの常識ではなかなか計り知れません。
「まったく共感できない変わった人たちだ」と切り捨てるのではなく、自分が理解できなかったこと/驚いたこと/ショックを受けたことなどを冷静に受け止めてみましょう。現代の常識の枠の外で起こり得る価値観を咀嚼することは、未来に向けた議論のきっかけになります。
テーマ例 × ユニークなユーザー例
・健康管理サービス × オリンピックを目指すトップアスリート
・オンラインコミュニケーションツール × ゲーム配信を行うeスポーツインフルエンサー
・未来のモビリティサービス × ハリウッド映画を作るVFXスタジオのクリエイター
・決済サービス × 中国でサービス開発を行うUXデザイナー
❷今のユーザーリサーチとは別軸で、未来の“きざし”を積極的に探る

今のユーザーの延長線上にある王道の未来とは別に、「起こり得る未来」をいくつも考えてみましょう。ゼロから発想することは困難なので、先端事例など、なんらかのインプットを入れることがおすすめです。
例えば過去のプロジェクトでは、優れたSF作品(映画・アニメ・ゲームなど)を数十本ピックアップし、そこで描かれている世界観やディテールを徹底的に分析したことがあります。「ひょっとすると 」をキーワードに、メンバーそれぞれが(ある意味、邪道とも言える)未来の“きざし”を探索するアプローチは、なかなかに刺激的なものでした。
❸クリエイターをアサインし、未来の“きざし”を可視化する


未来の“きざし”はあくまでも小さな芽に過ぎません。そこからどのような考察を導くことができるのか、深く議論することが求められます。そして議論以上に重要なのが、議論の過程や結果をきちんと「可視化」することです。プロジェクトメンバーの中にクリエイターをアサインできれば、より高い精度が期待できるでしょう。
“きざし”という曖昧なものを例えば“シナリオ”という形でビジュアライズすることで議論が先に進みますし、新たなコンセプトのヒントを得ることにもつながります。
今回ご紹介した3つの方法は、いずれも未来に着目しています。一般的に、リサーチは“今”に傾倒しがちな側面がありますが、 “今”と“未来”の両軸から設計することで、プロジェクトにおける考察の質が一気に高まると思います。
こうした進め方にご興味のある方は、いつでもご相談ください。

ユニークなリサーチを取り入れたプロジェクト進行について、カジュアルな相談会のお申し込みを受け付けております。
・既存のリサーチに限界を感じている方
・未来に役立つアイデア開発をしたい方
・ユニークなデザインリサーチ〜アイデア創出のプロジェクトに興味のある方
は是非こちらよりお問い合わせください。
先着5名(担当者)様とさせていただいておりますのでお早めにお申し込みいただければと思います。
→ 最新のイベントやホームページでは紹介していない役立つ情報をお届けしています。
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- Nobuo Masuda株式会社mct
エスノグラファー/エクスペリエンスデザイナー

こんにちは、mctの米本です。
先日、あるメディアの記事で“働く場所”に関する興味深い研究結果※が示されていました。その研究によると「仕事で利用する場所(ワークプレイス)のバリエーションが多い人ほど、パフォーマンスが高い」という傾向が見られるとのことでした。私自身、より集中できる環境で働くためにオフィスや自宅だけでなく、それ以外にもいろいろな場所で仕事をしています。今回のブログでは自分が日頃利用しているワークプレイスやその働き方について整理してみました。
※: HUMAN FIRST研究所「新しいオフィスの在り方や価値に係る調査研究

家で仕事をするのは難しい
そもそも様々な場所で仕事をすることになった背景にあるのは、「家で仕事をするのは難しい」ということです。我が家は東京都内の賃貸マンションで、そこに家族4人で住んでいます。当然、仕事のための部屋などを作るスペースはありません。仕方なく家で仕事をする際にはダイニングテーブルなどを使うことになりますが、朝は小学校や保育園に行く子供たちの送り出しでバタバタ、夕方頃には子供たちが帰宅してガヤガヤと、実質的に家で仕事をできる時間はそう長くはありません。「リモートワークは家で子供の面倒も見られて便利」と言われることもありますが、現実は全く異なります。このことは、コロナ禍で在宅ワークを経験した多くの皆さんが感じていることではないでしょうか。ワークスペースの選択肢を増やすことは、単に目的に合わせて最適なワークスペースを使い分けるということだけではなく、仕事に不向きな自宅を我慢して使うという状況から逃れられるという側面からもとても大切だと思います。
意外と仕事ができる場所はたくさんある
前述のような理由で、家の外に働く場所を求めるようになったわけですが、探してみると意外と多くの選択肢があります。最も身近なのはカフェです。そこは都内だからこその良いところなのですが、自宅の最寄駅周辺にもスタバ、マック、ケンタ、ドトール、コメダ、ミスド、モス、ロッテリア、、、とたくさんのカフェがあります。最近は電源が取れたり、wifiが飛んでいるカフェも多く、コーヒー一杯の数百円で仕事ができるのはとても便利です。また意外と盲点なのがファミレスです。特にすかいらーく系列のファミレス(ガストやジョナサンなど)には、多くの店舗で全席に電源とwifiが配備されています。日替わりランチとドリンクバーをオーダーして、昼食を取りながら広いテーブルでゆったりと仕事をすることができます。
そして、オンラインセミナー配信などの際に便利なのがホテルのテレワークプランです。コロナ禍で一般の旅行客が減っていることから、多くのビジネスホテルが日中利用のプランを提供しています。カフェやファミレスに比べると少し費用はかかるので日常使いというわけにはいきませんが、完全個室なのでオンライン配信のスタジオ代わりとして使うのに重宝しています。また同様にネットカフェやカラオケルームなども日中の個室利用ができる店舗があり、ワークスペースの一つの選択肢になります。ワークスペース専用の個室ボックスを提供するサービスなども増えてきていますが、ホテルやネットカフェ、カラオケルームなど身近にある施設を賢く使うのも、ワークスペースのバリエーションを増やすコツだと思います。

…と、ここまで書いてきましたが、機能的に仕事ができる環境が整ったとしても、その働き方が良い体験かどうかはまた別です。カフェやファミレスでは様々な客層の方がいて集中できないこともありますし、ネットカフェの個室にこもって仕事をするのは決してワクワクするような楽しい働き方ではありません。個室や電源・wifiといった機能面だけでなく、精神的な快適さも考えながら、目的や気分に合わせてワークスペースを選ぶことが大事だと思います。
働く場所を増やすためのツール
そして最後に紹介するのが「ツール」です。働く場所の選択肢を増やしていくためには、さまざまな場所で仕事ができるようにするためのツールの存在が欠かせません。以下に私が使っているツールを挙げてみました。

◯ テザリング用のスマホ
まだまだwifiが飛んでいない場所はたくさんあります。テザリングは外で仕事をするための必須ツールですね。ちなみに私は、Y!mobileのシンプルLプラン(月25GB/4,158円)を使っています。
https://www.ymobile.jp/plan/smartphone/
◯ ノイズキャンセリングアプリ
カフェやファミレスなどでオンラインミーティングをする際に便利なのがノイズキャンセリングアプリです。周囲の雑音を消してくれて快適にミーティングできるので、こちらも必須ツールだと思います。使っているのはKrispというアプリです。
https://jp.vcube.com/form-inquiry-md11-krisp.html
◯ マイク付きヘッドセット
また上記のノイキャンアプリに加えて、マイク付きヘッドセットもあったほうがベターです。ゲーミングヘッドセットでたくさん種類があります。私はHyperXの製品を使ってます。
https://www.hyperxgaming.com/jp/headsets/cloud-stinger-core-pc-gaming-headset
◯ モバイルバッテリー
最近はリモートワークをする人が増えたことで、カフェの電源席もめちゃくちゃ競争率が高くなった気がします。そもそも電源席のないカフェもまだまだ多く、モバイルバッテリーがあるとすごく安心です。私はAnkerのバッテリーを使ってます。
https://www.ankerjapan.com/category/BATTERY/
◯ Webカメラアプリ
こちらは必須ではありませんが、イベント配信などで映り方をちょっと工夫したいな、というときに便利です。外付けのwebカメラもたくさんありますが、持ち歩くことを考えるとスマホカメラをそのままwebカメラとして利用できるアプリは荷物が増えないので助かります。私はEpocCamというアプリを使っています。
https://www.elgato.com/ja/epoccam
これらのツールを揃えると、なんと屋外でも仕事ができるようになります(笑)。リモートワークではどうしても室内にいることが多くなりがちなので、リフレッシュするという意味でも屋外で仕事をするのは良い気分転換になります。もし上記以外でも皆さんが使っている便利なツールがあったらぜひ教えてください。

またmctでは、イノベーション創出のための新しいワークスタイルやチームワークのあり方を考えるコミュニティ<Playful NetWork>の運営も行っています。こちらにもぜひご参加ください。

- Akihiro Yonemoto株式会社mct
エクスペリエンスデザイナー/ストラテジスト