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Jun 27, 2018 04:04 社員の主体性を向上させるカルチャーコード<ツクイ様の事例>

最近、お客様より、新チームの立ち上げやチームのパフォーマンス向上に取り組むにあたって、自分たちの働きがいを見つめ直し、チームとしての士気を上げたいというご相談が増えてきました。

背景として、“働きがい”に対する姿勢やモチベーションが時代とともに大きく変化してきたことがあります。今日、モチベーション2.0と呼ばれる外発的な動機づけ(賞罰によるもの)だけでは、自発性や働くモチベーションの維持、会社に対する帰属意識の維持に限界があると考えられています。
そこで、第三の軸としてモチベーション3.0という、内発的動機づけが重要視され始めました。自らワクワクするような内側から湧き上がるモチベーションを見つけ出し、引き出すことが、結果的には組織の業績向上に繋がるという考え方です。
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そうした従業員の自主性・主体性を向上させるという効果を期待して、“カルチャーコード”に注目が集まるようになってきました。

カルチャーコードとは、「企業の文化を反映した行動指針」です。
自分たちで考え、設計し、行動に移すといった、従業員自身が自分たちで自分たちの存在意義を再確認し、働きがいを見出す効果があります。
0627-2また、カルチャーコードはトップダウン型ではなく、ボトムアップ型の行動指針であることがポイントです。作成プロセスに従業員自身が関われることで、自分ごとにしやすいという利点があります。
従業員一人一人がやりがいを持って、自ら積極的にイキイキと働く姿勢は、お客様(ユーザー)にも伝わり、結果、顧客満足度にも繋がってきます。

今回は、実際にカルチャーコード開発を実施したケーススタディとして、介護サービス大手企業である「ツクイ様」の事例をご紹介したいと思います。

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介護業界大手のツクイ様は、デイサービスや訪問介護、有料老人ホームなど、様々な介護サービスを全国47都道府県の600を超える事業所で提供されています。
ツクイ様が定期的に実施されている顧客満足度調査によると、2017年度の総合満足度は97%、継続意向は99%を獲得されており、介護業界の中でも非常に高い評価を得ている企業の1つです。

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そんなツクイ様ですが、「顧客満足度は高いが、お客様の本音(本当)の声はどうなのか?」という疑問を抱いていたことや、現場の従業員一人ひとりの能力に依拠している部分も多いなど、組織全体としての取り組むべき姿勢や方向性をもう一度見直したいというお悩みがありました。

そこで、「さらに顧客満足を感じてもらえるような目標設定」と「組織としての従業員同士の文化の育成」という、この2つの課題に取り組みたいということで、我々はお客様の生の声を生かしたカルチャーコード開発のお手伝いさせていただきました。

カルチャーコードは、本来は自主性を持っていただくために、従業員(社員)の声からのみ作られることが多いのですが、今回のポイントとしまして、”ツクイ様の理想の姿”を顧客目線と従業員目線の両方を取り入れたカルチャーコードの開発を行いました。
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複数名のお客様にインタビューを実施し、その生の声を参考にしながら現場で働く管理者の方々に集まっていただきカルチャーコードを作成しました。

ワークショップの中では、「想像していた以上にお客様が従業員の行動や言動を見ている」ことに気づいたり、「お客様への配慮は十分に出来ているが、従業員同士のコミュニケーションが不足している」ことに気づいたりという、認識はしているがなかなか改めることが難しかった課題に、向きあう機会が得られたというお声を頂戴することが出来ました。

作られたカルチャーコード(行動宣言)は、日常の業務の中で、従業員同士で呼びかけやすいよう意識したり、従業員に受け入れられやすいように工夫をしたりと、ツクイ様の今ある文化に違和感なく取り込めるよう作成しました。
0627-5カルチャーコードをお飾りにするのではなく、顧客満足度アンケートに行動宣言(カルチャーコード)の項目を入れ、毎年の達成率を確認したり、19,000人を超える従業員全てに、セルフアンケートを配って周知したり、事業所によっては定例のミーティングなどで行動宣言(カルチャーコード)をうまく活用してサービスの向上を図るだけではなく、従業員一人ひとりが主体性を持って行動できるような現場作り(雰囲気作り)にも取り組み始めていらっしゃるようです。

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文字通り、文化として根付くには時間がかかるので、ツクイ様の例もまだ始まったばかりですが、この地道な取り組みが社員が気持ちよく働けるような文化の醸成につながっていくように、mctもこれから一緒に取り組んでいきます。

みなさんのチームにはどんなカルチャーが醸成されているでしょうか?評価方法などのハード面だけではなく、そこに横たわる文化やチームワークといったソフト面にも目を向けるとチーム運営のヒントになるかもしれません。

カルチャーコードにご興味がある方は、mctのメンバーまでお声がけください。

Kurokawa Madoka株式会社mct エスノグラファー

Apr 15, 2018 12:59 mct 事例のご紹介:コンセプト開発

 

■ミニバンカスタマイズリサーチ~コンセプト開発

ホンダアクセス様(純正用品の開発、生産、販売メーカー)

 

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 先方PJメンバーの方がフィールドワークを実施され、ミニバンカスタマイズの新価値仮説を開発。先方担当者を交え、その仮説をユーザーに提示し、検証や潜在ニーズを探っていく、コ・クリエーションユーザーリサーチを実施。これまでになかったミニバンのインサイトと潜在ニーズを獲得し、それらの情報から新しいミニバンの方向性、コンセプトを開発した。

 

■取組内容

・コ・クリエーションユーザーリサーチ

・分析共有セッション

・コンセプト開発セッション

 

■取組のプロセス

 

■活用

後に先方にてオデッセイを利用したプロトタイプモデルが製作され、東京オートサロン2018に出展。

 

IMG_5879-1IMG_5887-1オデッセイ・クロスクルーザー

 

※この記事は、ホンダアクセス様の許可を得て掲載しております。

 

Shuichi Jouriku株式会社mct エクスペリエンスデザイナー/エスノグラファー

Apr 13, 2018 09:00 組織へのデザイン思考導入事例 ― サントリー食品インターナショナル様

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こんにちは。組織デザインユニットの渡邉です。近年「デザイン思考」の重要性が高まっており、以前mctブログでも「なぜ組織にデザイン思考が必要なのか」という記事をご紹介しました。今日は、デザイン思考の社内導入事例として、サントリー食品インターナショナル様のデザイン思考ワークショップをmctがサポートした様子をご紹介します!

サントリー食品インターナショナル様では、R&Dメンバー一人ひとりが、普段の商品開発プロセスにデザイン思考の考え方を活用していけるようになるための「サントリー流 デザイン思考ガイドブック」を作成されています。今年3月に開催されたグローバルミーティングでは、そのデザイン思考ガイドブックのお披露目と、メンバー間での理解・共有を深めることを目的としてデザイン思考ワークショップが実施されました。参加者は世界各国、各地域の支社から招集され、研修後は、全社的にデザイン思

考の活用にドライブをかかることが最終的なゴールでした。

ワークショップの構成は2部にわかれており、mctではワークショップの計画と実施をサポートさせていただきました。

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■マインドセット

第1部のマインドセットパートでは同志社女子大学 現代子ども学科 教授の上田信行先生をお招きしました。上田先生はMITメディアラボの客員教授のご経験があり、人が楽しく学び、働くための場の環境デザインを研究されています。さらに上田先生のゼミの学生さん13名もお呼びしました。(上田ゼミではゼミ生のことを「girlsBand」と呼び、音楽バンド…ではなくワークショップの企画運営と中心とした活動を行っています。)

今回のワークショップでは1日のスタートとして、上田先生とgirlsBandのみなさんとデザイン思考のためのマインドセットを経験から学ぶパートを設計・実施しました。マインドセットのセットアップは、デザイン思考を推進する上での「エンジン」とも言える最も重要なポイントの一つです。

ワークショップはgirlsBandのダンスからスタート!

 

一気に場の雰囲気を変え、全員でダンスを踊るワークに入ります。最初はわけもわからず手拍子をしていただけの参加者がどんどんと引き込まれ、自分たちも身体を動かしてダンスを踊れるようになります。10分程度のレクチャーでほとんどの参加者が見事に振り付けを覚えていました!

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もう一つ行ったワークがレゴの高積みです。音楽がなる中でグループごとにレゴをできるだけ高く積み上げていきます。積み方は各グループの自由。チームごとに試行錯誤しながらどんどんタワーを高くしていきます。途中に作戦を練る時間もあり、タワーの積み方や役割分担などチームカラーがよくでていました。頭上をはるかに超える高さのレゴ−タワーが完成したときには、自然と歓声があがるほど全員が夢中になって取り組んでいました。

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デザイン思考を推進していく手法は様々なものがありますが、マインドセット(心の持ち方)をととのえ、組織メンバーが同じ姿勢や態度で取り組むことでスピードは何倍も加速していきます。チーム一丸となって問題に取り組み、失敗を恐れずにチャレンジしていける環境を提供すること。そしてそこでの経験を思い切り楽しんでもらうことがマインドセットの獲得では大切です。

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■プロセス

第2部は、サントリー食品インターナショナル様独自で開発されたガイドブックをもとにデザイン思考のプロセスを学ぶパートです。今回は「女子大生がワクワクする新しい商品・サービスを開発する」をテーマにワークショップを行いました。

 次世代の消費の中心となってくミレニアル世代の女子大生ですが、彼女たちの実態はよく知ろうと思わなければわからないことだらけです。ワークショップではデザイン思考のプロセスに合わせ、理解からアイデアの具体化までを段階的に実施しました。それそれのフェーズごとにレクチャーを交えつつ実践と理論を繰り返し、デザイン思考を習得していきます。

理解のフェーズでは密着ビデオやデプスインタビュービデオ、食日記などを中心に情報のインプットを行いました。参加メンバーは彼女たちの言動に驚きの連続だったようです。こうした発見が次のアイデアのインスピレーションになっていきます。また、自分たちの五感を使って、彼女たちが普段飲んでいる飲み物を実際に味わってみたり、直接対話を重ねたりしていくことで、彼女たちへの考え方や価値観に対する理解が深まっていく様子が印象的でした。

 

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さらにデータを解釈するフェーズではインプットした情報をもとにユーザーのインサイトを定義します。商品の具体的なアイディアをだすフェーズでは抽出したインサイトから具体的な商品・サービスアイディアをみんなで考えていきました。

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デザイン思考のアプローチはユーザー中心の設計が重要となります。ワークショップでは女子大生の意見を常に取り入れ、アイディアをどんどん修正していく場面がいくつもみられました。プロトタイプをつくっては壊し、またつくっては壊す作業を繰り返し、最終的に6つのアイディアが完成しました。

完成したアイディアに対して女子大生からフィードバックをもらい、さらにそれを改良したところでワークショップは終了しました。

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デザイン思考を組織に導入するためには手法だけを導入するのではなく、それに取り組む人たちが広い視野を持ち、ポジティブなマインドセットである必要があります。とはいえ、マインドだけセットされていても、具体的な手段がなければ実務を遂行していくことはできません。デザイン思考推進のために、今回ご紹介したワークショップのような「マインドセット」と「プロセス」の両軸からのアプローチの必要性がより高まっていきそうです。

※この記事はサントリー食品インターナショナル様の許可を得て掲載しています。

 

Saki Watanabe株式会社mct エクスペリエンスデザイナー

Jul 19, 2017 11:20 「顧客満足度No1オルビス様との取り組み」顧客経験向上のためのジャーニーマップ開発ワークショップ

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「オルビス」という化粧品メーカーをご存じでしょうか?
1987年に創業された通信販売を主とする化粧品メーカーで、製品の品質がよいのに価格が良心的なことでも女性の間では支持されていますが、
ビジネス界では「アフターサービス満足度ランキング(日経ビジネス誌)ネット通販部門 3年連続1位(2009、2010、2011年)」
「JCSI(日本顧客満足度指数)通信販売業界4年連続1位(2011、2012、2013、2014年)」
「同・通信販売業界自社ブランド型2年連続1位(2015・2016年)」
を獲得といった顧客満足度が高い会社として有名です。

そんなオルビス様からのご依頼で私たちmctは、「顧客経験向上のためのジャーニーマップ開発ワークショップ」を実施いたしました。
※WSの概要は、グループ会社DCDのブログをご覧ください。
 
もともとこのプロジェクトの発端は、コールセンターの顧客経験のさらなる改善でした。
 
しかし、相談しているうちにコールセンターそのもののクオリイティーを上げることよりも他に課題があるのではと考えました。
近年ネットやスマホの普及ともに、顧客は様々なチャネルをミックスして使用しています。普段ネットで買っているOLも、
会社帰りに寄ったファッションビルのオルビスの店舗でついでに買うこともあるでしょう。そんなときに、ネットでのポイントが使えない、
普段買っている商品がわからない、いつももらえるサンプルがもらえない・・・など思わぬところで不便さを感じたり、
期待を裏切っている可能性があります。みなさまの会社のサービスでもありませんか?これはどこでも起こり得ることだと思います。

なので、今回のWSの狙いを「もう一度、顧客経験全体を見直す」「縦割りの部門間の橋渡しをする」と設定し、
コールセンター・Web・店舗の現場のスタッフに来ていただきました。
 
 
 

結果として、お客様の視点に立つことで何をすべきかがクリアになり、また、他の部門にどんな問題があるのかを共有し、
部門を超えて互いに何ができるかと話が盛り上がりました。
 
後日、今回このプロジェクト依頼してくださったオルビス株式会社CRM顧客満足推進部大谷様、
和田様からこのようなコメントをいただきました。

 

(オルビス株式会社CRM顧客満足推進部大谷様)
 
 
・コールセンターの社員がWSの帰り道に「ずっと気になっていたWebサイトの動線について、Webの開発担当に伝えることができました!」
と興奮気味に話してくれました。(和田様)

・部署が異なると会話をすることもなかなかないため、このような機会を積極的に設けていくことが必要だと私自身も感じました。(大谷様)
・納品いただいたジャーニーマップには各販売チャネルでの「お客様の購買体験のプロセス」と「各フェーズことの感情」がまとまっているので、
実務に生かせるヒントがたくさん載っているのです。(和田様)

・やはり、社内だけでやろうとせず、プロにお願いした点が正解だったと思います。
社外のファシリテーターがフラットな立場でアシストしてくださったおかげで、参加者は本音でディスカッションをすることができました。
もし叶うなら、メンバーを入れ替えて継続してこのワークショップを行っていきたいですね。(大谷様)
 
いろんな業種のお手伝いをしているmctだからこそ見える課題、部門などのしがらみを超えた提案。
そういった、mctの強みを感じていただけることができたようでほっといたしました。オルビス様は、担当のお二方をはじめ、
ワークショップに参加されたメンバー全員が前向きに取り組んでいただきました。真剣に議論する姿は、オルビス様の“誠実さ”に触れた瞬間でした。
 
私事ですが、早速オルビス様の商品を購入しました。
 
チャネルが多様化して期待される役割も変わってきている今、みなさまの会社でももう一度顧客経験を見直すとよい気づきがあるかもしれません。

 

 

 

Nanasa Kwan株式会社mct エクスペリエンスデザイナー

【タグ】 顧客満足度, SOLUTIONS,

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