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Feb 05, 2018 04:50 観光における人間中心のデザインの重要性

こんにちは、CXデザインユニットの冨田です。
世の中には古くから「資本論」「形態論」「懐疑論」など、様々な分野において”論”というものが存在します。
最近私が興味を惹かれたのは、観光における”論”です。
そのきっかけとなったのは、『新・観光立国論』(東洋経済,2015)という本でした。

この本は、イギリス人アナリストのデービッド・アトキンソン氏によって書かれたもので、氏の前職であるアナリストとしての分析的な視点と、伝統文化を嗜みながら日本で暮らす、いち在住者としての視点が織り交ぜてあり、大変ユニークな切り口の本となっています。

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ではさっそくですが、タイトルにもなっている”観光立国”とは何でしょうか?
本書では、”その国が持つ特色ある自然環境、都市景観、美術/博物館などを整備することで、国内外の観光客を誘い込み、観光ビジネスやそこから波及する雇用など、人々が落とすお金を、国を支える基盤の1つとして確立すること。”(『新・観光立国論』p. 46より引用 )とされています。これ以上に明快な定義はないようですが、少なくとも”観光立国”と呼ぶにふさわしい最低限の基準は存在しており、それについては下記のように言及されていました。

最低限の基準、それは国連世界観光機関(UNWTO)による、世界の観光における指数です。
本書では、いくつかあげられている指数の中でも、観光が国の経済を支える基盤になっていることを示すものとして、”全世界のGDPに対して観光産業が占める数値=9%”を明快な指数としてあげています。これを世界平均と捉えるならば、少なくともこの指数を上回っていることが、その国が”観光立国”と言える最低条件です。さて、日本はどうかと言うと…”0.4%”と、残念ながら世界平均を大きく下回っているのです。漠然と、京都周辺が海外からの観光客で賑わっている光景をイメージしながら、国内には多くの観光収入がもたらされていると思っていた私には、これは意外な事実でした。

ではどうしたら、日本は”観光立国”になれるのでしょうか?
本書では、4つの要素、”気候”、”自然”、”文化”、”食事”をできるだけ多く揃え、複数の観光を提供するほど、様々なタイプの観光客を受け入れることができ、観光収入が上がって観光立国に近づくとしています。こちらは、日本は、過ごしやすい温帯の気候、地方に残る手付かずの雄大な自然、歌舞伎や能などの伝統文化とアニメなどの現代文化、古くからある和食や日本国内で進化を遂げた洋食など、4つの要素が兼ね備えられているのです。「なんだ、やっぱり日本は観光のポテンシャルはあるんじゃないか。」と一安心してしまいそうですが、これだけで終わりではないのです。ただ要素を揃えているだけでは”観光立国”とは言えず、観光はお客さんが来て初めて成り立つものである以上、これらの資源をお客さんに響く形でアピールしていかなければなりません。

本書ではそのために必要な3つの姿勢が書かれていますが、それらは私が普段取り組んでいる、人間中心デザインのプロセスと非常に親和性の高いものだと感じました。

1.観光客の多様性を知る
何を目的に日本へやってくるかは、観光客によって様々です。ひと口に日本にやってくる中国人観光客といっても、デパートで高級ブランドを爆買する層もいれば、ドラッグストアで化粧品を爆買する層や、100円ショップを楽しむ層もいます。ひと口に外国人観光客とくくるのではなく、その多様性を探り、それぞれがどのような立場で何を求めているのかを知ることが、よりターゲットに響く観光コンテンツを作ることにもつながります。

2.サービスを差別化する
花見のシーズンになると、有名なスポットでは、入場規制がかかることもあります。そのような状況の中で、1泊500万円のホテルに泊まる富裕層の観光客に「これがルールですから最後尾に並んでください」と説明して、どれだけの人が素直に従うでしょうか?サービスを選ぶ主導権は観光客にあります。そこで、観光客を一律に扱うのではなく、相手の求めるサービスに応じて価格設定を変えることで、あらゆるニーズに細かくターゲティングして応えることが可能になります。

3.お客さんに伝わる表現をする
文化財などの観光資源を綺麗に整えておくだけでなく、展示パネルの表記に英語を入れたり、音声ガイドをつけてより詳しい解説をするなど、まずは多くの人に見知ってもらうための工夫が必要です。そうすることで、さらに文化的な背景や歴史など、見る人の興味の幅を広げ、そこから別な観光への興味を持ってもらうきっかけにもなります。近年では、伊勢神宮の『せんぐう館』で、外国人観光客に無料でペン型の多言語端末を渡しており、これが好評を博しているようです。

顧客と同じ目線から相手が何を求めているか理解することで、より相手に響くサービスを提供し、さらにはその先にあるニーズを引き出す。観光という分野についてもこのことが当てはまると知り、改めて人間中心デザインのプロセスの重要性と可能性を感じた1冊となりました。

Misuzu Tomita株式会社mct エクスペリエンスデザイナー

Sep 30, 2017 03:09 ある日、チームに新しいメンバーが入ってきたら…〈他者理解について〉

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こんにちは、mctの池田です。めっきり秋めいてきましたね。

最近では、優れたチームをつくるためには、「メンバーの多様性が必要だ」とよく耳にします。確かに、チームに年代・スキル・国籍・価値観など多種多様なメンバーがいると、視点が広がり、議論が豊かになりそうな…気がします。

でも果たして、メンバーに多様性を持たせることだけで、良いチーム作りは成功するでしょうか?


Googleが100人以上の社員にインタビューした結果によると、社内で生産性の高いチームに共通していたのは、「優れた人材を集めてミックスさせたチーム」…という、チーム作りの定石としてよく言われるような傾向を見出すのは難しく、むしろ 「お互いのメンバーのことを理解しようと努力しているのが良いチームだった」とのことです。例えば、相手の気持ちに共感して思いやる、とか、みんなが平等に発言する、といったことです。大事なのは、チームに誰がいるか以上に、チームメンバーがお互いにどう関わり合うか、ということなんですね。

ではチームメンバーがお互いに分かりあうために、私たちは他者理解をどのように深めていけばよいでしょうか? 私が最近気になっている概念として、「アンコンシャス・バイアス」というものがあります。

例えば、米国のCEOには背が高い男性が多い=「背が高いとカリスマ性や統率力がある」という思い込みが、CEO選抜の時に影響を与えているという説があるそうです。それと同じように、日常生活で「インターン」と聞くと「若くて向上心がある人」を想像したり、「帰国子女」と聞くと「英語が堪能な人」、「元ラグビー部」と聞くと「体育会系で体力のある人」を自然とイメージしたり…ということはないでしょうか。でも実際にはみんながイメージ通りというわけにはいかず、なんだか後ろ向きなインターンや、英語よりアラビア語が得意な帰国子女、身体の弱い元ラグビー部もいるかもしれません。また逆に、受け手側にこうした勝手な期待をされてしまい困った、という経験は誰しもあるのではないでしょうか。「関西人なのに話にオチがない!!」など。。

こうした肩書きなどから人に対してイメージを持つことは、日常生活を効率的に、スムーズにさせることもあるので一概に悪いことではないのですが、時には立ち止まって、自分にもそうした「思い込みがある」「その思い込みは誰にとっても当てはまるわけではない」という前提に立ち、自分の中にあるバイアスに自覚的になることが必要かなと最近よく感じます。そうすることで、人に表層的なラベル付けをしてそこで理解をやめてしまうのではなく、その人自身がどんな人かを深く知るきっかけが得られるのではないかと思います。

mctでは現在、こうした「他者理解・チームワーク」をテーマにした研修トレーニングも企画中です。10月4日(水)には、組織の多様性・LGBTの理解促進のための企業研修などを提供しているLetibeeの榎本悠里香さんをゲストにお迎えして、より良いチームワーク、働く人の幸福感醸成について話し合うオープンな勉強会を開催します。チーム作りや他者理解についてご興味のあるみなさま、ぜひお気軽にご参加ください!

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Convivial Salon vol.12

『組織の多様性と幸福度〜LGBTの問題から考える新時代のチームワーク〜』。

10月4日(水)19:00-21:30 @永田町グリッド

http://peatix.com/event/300152

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ちなみに私の好きな映画『マイ・インターン』では、70歳でシニア枠のインターンに採用されたロバート・デ・ニーロが、初めはアン・ハサウェイ演じる女性CEOに「おじいちゃん」扱いされ、全く見向きもされないのですが、これまでの経験値を活かしながらも謙虚な姿勢でみんなのサポート役として信頼を集め、CEOのピンチを救い、最終的には彼女にとってかけがえのない存在になりました(過去のロバート・デ・ニーロ出演作を熱心に観てきたファンにとっては、デ・ニーロがキレないでずっと笑顔なのが逆に怖い!!という感想もあるみたいですが…汗)。秋の夜長におすすめしたい1本です。

 

Eiko Ikeda株式会社mct エクスペリエンスデザイナー

Aug 07, 2017 02:40 実は、ケーススタディ学習には「マンガ」が有効なんです!

みなさん、こんにちは。組織デザインユニットの冨田です。

mctでは、株式会社msc様(マネージメントサービスセンター/http://www.msc-net.co.jp/)との共同メニューとして、「マンガ」を使ったトレーニングプログラムの提供を開始しました。このトレーニングの特徴は、文章ではなく、漫画で表現したケーススタディを教材として用いているところです。

そこで、今回は「マンガの効能」を、「マンガを用いて」ご紹介したいと思います。

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このように、マンガの主な効能には

1.リアルなシチュエーションに没入することができる

2.自らの視点で解釈し、気づきを得ることができる

3.さまざまな立場で考え、視野を広げることができる

といったものがあります。

マンガを用いたトレーニングは、学習者を物語の中に引きこみ、その物語の登場人物として様々な視点で問題を捉え、解決策を考える過程を通じて、学習者を主体的な問題解決へと導きます。そんな一石三鳥な「マンガ」を使ったトレーニングプログラム、ぜひ一度、試してみませんか?

 

 

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mctのマンガ研修では、「チームワーク」のテーマでもトレーニングを提供しています。

◆マンガを使った研修・トレーニングのお問い合わせ・資料請求はこちらから◆

http://mctinc.hs-sites.com/organization_manga

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Misuzu Tomita株式会社mct エクスペリエンスデザイナー

Jul 07, 2017 08:12 チームワークを阻むもの、それは自分の「目」かもしれない

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こんにちは、mct 組織デザインユニットの池田です。

 先日、同僚に誘ってもらい、知る人ぞ知るエンターテイメント、 「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」に参加してきました。

 

「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」とは…

ホームページでは「暗闇のソーシャルエンターテインメント」と題されており、その名の通り、完全に光を遮断した空間の中を、複数人のグループを組んで進んでいき、さまざまな体験をするというものです。

1988年、ドイツの哲学博士アンドレアス・ハイネッケ氏によって発案され、これまで世界39か国以上で開催され、800万人を超える人々が体験されています。http://www.dialoginthedark.com/

 

軽い気持ちで申し込んだものの、当日受付を済ませた後、気持ちが急激に落ち込み始めました。なぜなら、暗闇がめちゃくちゃ苦手であることを急に思い出したからです。どう考えても90分も耐えられる気がしない。

まずは明るいところで、知り合いではない人も含めて8人のグループを組んで出発するのですが、気持ちがすでに動揺しまくっているので、それぞれの人の顔もまったく覚えられませんでした。

そして、段階的に薄暗い部屋へ…。その時、視覚障がい者の男性がアテンド役として、待っていてくれます。私はアテンドがあることを知らなかったので、すごく驚きました。そして、“暗闇のエキスパート” であるこの男性が、適宜声がけをしてくれてすごく頼りになるのです。

 

「今緊張していると思うから、深呼吸しましょう」

…不安でいっぱいの気持ちを察してくれて、ナイスなアシスト! 

 かと思ったら次の瞬間には…、

 

「真っ暗闇なので、目が慣れるということは一切ありません。だから “見る” ことを早くあきらめることです」

 

…怖い、怖すぎる。もう、ここから出してくれ…

と、半ば懇願モードの私におかいまなく、とうとう真っ暗闇の部屋に足を踏み入れることになりました。

 

詳しい内容を書きすぎるとネタバレになるので避けますが、暗闇空間の中で、今日初めて会った8人の人間が、お互いに声をかけあったり、助け合ったり、譲り合ったりしながら、歩を進めていきます。

そして、この体験をしている最中に、私がとても印象的だったことがあります。

 

「みんなと仲良くなるのが、すごく早い…」

 

気がつけば、みんながお互いを気づかい、名前を呼び合い、ついてこれていない人がいれば声をかけて助け合い、最終的には、暗闇の中でお互いに冗談まで言い合える状態になっていました。もちろん、表情も仕草も周りの状況も分からないので、お互いの言葉に注意深く耳を傾け、信頼関係を築いていきます。もし、私たちが目が見える状態で出会っていたら、この短時間で、こうはなっていないだろうなと思います。

私たち人間は、「先入観」を持ってものごとを見てしまいます。その対象が人間であっても、同じです。私自身も、この時の経験から、これまでずいぶんと人の見た目や些細な言動から「この人はこんな人にちがいない」「自分とは仲良くなれそうもない」と勝手に判断し、人と深くコミュニケートする機会を失ってきたのかもしれない、と反省しました。

 

仕事の場面でも同様に、年々問題が複雑化するこれからの時代においては、今後より「チームワーク」が求められます。その時に必要なのは、相手に対する表面的な評価や評論、決めつけではなく、その人自身が「どんな気持ちで、何をしたいと思っているのか」、積極的な対話や共感を通じて、理解を深めていくことではないでしょうか。そんな、基本的で大事なことを、思い出させてもらった貴重な体験でした。

また「先入観を取り払う」ということ以外にも、この「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」には下記のようなチームワークを促進する要素が巧みに散りばめられており、本当によくできた設計だと思いました。ぜひ多くの方に体験していただきたいです。

 

・共通の目標がある(協力して、課せられたアクティビティを完遂する)

・参加者の不安を受け止めながらも、主体性を引き出してくれるファシリテーターの存在

・非日常的なドキドキを共有している一体感、仲間意識

・視覚を失うことで、他の感覚が鋭敏になり、没入状態(フロー)に入る

・相手の声に耳を研ぎ澄ますことで相手の気持ちを感じる力(共感力)が増す

 

チームワークというテーマについては、また引き続き考えてきたいと思います。

 

お薦めしておきながらなのですが…「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は現在、外苑前会場で最後の開催期間中ですが、残念ながら8月末まで全て満席のようです(その後はしばらく移転先を探索されるとのことです)。大阪グランフロントでは「対話のある家」というイベントを定期開催されているようですので、ご興味がおありの方はそちらもぜひ体験してみてください。

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mctのマンガ研修では、「チームワーク」のテーマでもトレーニングを提供しています。

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Eiko Ikeda株式会社mct エクスペリエンスデザイナー

Jun 30, 2017 02:04 エスノグラフィで組織文化を理解する

撮影風景.pngワークショップで“その会社らしさ”を表している事物を収集している様子

 

こんにちは、白根です。4月の話になりますが、新入社員と先輩社員合同で「自社の文化を解明する」ワークショプをしました。手順は、新人チームと先輩チームに分かれて、会社らしさを感じるモノや空間、メッセージを撮影します。それらを集めて、自社で明文化されているヴィジョンや行動規範と比べます。先輩チームの方は明文化されたヴィジョンや行動規範を表している写真が多く、新人チームの方は、それとは関係のない、あるいは逆の意味を反映した写真が多くなります。 

 

「新人の皆さんも早く当社の文化を学んで正しい写真が撮れるようになってください、以上。」新人チームが間違った写真をたくさん集めてしまったと考えるとここで終わってしまうのですが、実はこのワークショップは、関係のない写真や逆の意味を反映した写真を集めてくれた新人の視点がキーになります。例えば、行動規範では「チームワークを大切にしよう」と謳われていて、新人が撮影した写真はイヤホンをつけて仕事をしている社員や背中を向いて仕事をしている社員とか、ヴィジョンや行動規範と関係のない写真や逆の意味を反映した写真は、会社が標榜している価値観と、現場で実際に起きていることとのギャップを表しています。このワークショップでは、そのようなギャップをもたらしている、「チームワークを大切にしよう」という行動規範よりも影響力のある、社員の間で暗黙的に共有された考え方や価値観は何だろうか、=明文化されていない組織の文化をみんなで考えていきます。それらは、会社の運営を阻害している要因であることもあれば、会社の運営を円滑にしている要因であったりもします。

 

mctでは、クライアントの組織やチームのカルチャーコード(行動規範)の制定や浸透などを通じて、組織変革のお手伝いをしていますが、その最初のステップとして重要なのが、このようなワークを通じて、自分たち自身も意識していない自社の文化を共有することです。その際に、メンバーが組織変革のプロセスや考え方、ポイントを共有することも大切です。組織変革のポイントが共有できるマンガを使った半日から1日の研修もご用意しています。組織変革のテーマにご興味がある方は、こちらもご覧ください。

http://mctinc.hs-sites.com/organization_manga

 

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マンガ研修の教材 


◆マンガを使った研修について◆
http://mctinc.hs-sites.com/organization_manga

Hideaki Shirane株式会社mct CEO / ストラテジスト

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