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Aug 30, 2017 08:52 刑事ドラマと“インサイト”

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こんにちは、mctデザインインサイトユニットの程野(ほどの)です。
私はドラマを観るのが3度の飯よりも好きで、録画した10数本のドラマをマラソン上映会のように消化するのが土日のルーティンワークなのですが、中でも特に刑事ドラマが大好物です。

その刑事ドラマによくあるパターンとして(皆さんも一度はご覧になったことがあるかと思いますが)、どうやっても「真相にたどり着けない脇役刑事たち」と絶対に「真相にたどり着く主人公刑事」の対比で構成されるストーリー、というのがあります。では「真相にたどり着けない刑事」と「真相にたどり着ける刑事」とでは何が違うのでしょうか。

たとえば、以下のようなやりとりがあったとします。
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脇役A「殺しかぁ、こりゃひどいもんだなぁ」
脇役B「あ、ご苦労様です。部屋が荒らされてないところをみるとどうやら物盗りじゃなくて怨恨の可能性が高いですね」
脇役A「そうだな、しかも着衣にも乱れがないし、抵抗の後もないってことは顔見知りの犯行だろうなぁ」
脇役B「前に手掛けたヤマとよく似てますし、被害者とトラブルがあった者をあたればすぐに解決できそうですね」
脇役A「スピーディーな解決は捜査一課長へのアピールになるな。まさに一石二鳥だ、ふふ」
主人公「被害者の着衣ですが、確かに乱れがないんですが、全く乱れがないのが逆に気になりますねぇ」
脇役B「うわ、何だよ!また出やがったか。下らんこと気にしてないでさっさと聞き込みに行けよ!」
主人公「しかも、この部屋着、上下のコーディネートが不自然なんですよねぇ」
脇役A「部屋着なんだからコーディネートもくそもねぇだろ!」
主人公「でも、被害者の写真や服や装飾品などを見ていると、相当身なりには気を遣う人のようですし、部屋着だけ無頓着ということはないと思うんですけどねぇ」
脇役A「何が言いたいんだよ!」
主人公「おそらく、顔見知りの犯行に見せかけている、ということではないかと思うんですがねぇ」
脇役B「何だと!お前、俺たちをバカにしてんのか!」
主人公「あとこのテーブルのコーヒーカップ。いかにも客人といっしょに飲んでいたかのように置かれていますが、おそらくこの人は右利きなのに持ち手が逆なんですよ」
脇役A「な、何だって?」
主人公「しかもこれ、2つとも来客用のカップなんですよね。ほら、いつもこの方が飲んでいるカップは“これ”じゃないでしょうか。このあたり黒ずんでますしね。これはどうみても犯人の偽装工作ではないかと思うんですけどねぇ。どう思われますか?」
脇役A・B「・・・・・」
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とまあ、どこかで観たような聞いたようなやり取りですが、ここで彼らの会話を整理してみましょう。

脇役刑事A・Bは、
◎目の前の事実を表面的にとらえて、すぐに結論づけている
◎過去の経験を重視し、そのパターンにとらわれている
◎自分たちの思い描いたストーリー(思惑)にそって解釈をしている
◎組織の都合を優先している

主人公刑事は、
◎事実だけにとらわれず、かつ結論はすぐに出そうとしていない
◎過去の経験にとらわれることなく、いまそこで起きていることに目を向けている
◎犯人や被害者の気持ちや行動を理解し、そこから解釈しようとしている
◎組織の都合は考えていない

つまり、脇役刑事A・Bは「事件そのものを自分たち警察が想定している範囲内で解決しようとしている」が、主人公刑事は「事実だけではなく犯人や被害者にも焦点をあてて、本当にそこで起こったことを探求する中で事件を解決しようとしている」ということが言えると思います。こうして双方の行動や考えを比較してみると、なぜ脇役刑事たちが真相にたどり着けないのか、主人公刑事はなぜ真相にたどり着けるのかがわかる気がしますね。

そしてこれはまさに、一般的なインサイトとmctのインサイトの違いに似ています。
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(一般的なインサイト)
データ(現実の断片)を、そのまままとめた「情報」であったり、既知の視点から得られた「知識」の域にとどめている
 ⇒脇役刑事たち:部屋や衣服が荒らされていないのは顔見知りの犯行だから。過去にも同じような事件があった。
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(mctのインサイト)
メソッドを使ってこれまでとは違う視点で現実(データや「情報」、「知識」)をリフレームして理解する
 ⇒主人公刑事:部屋や衣服が荒らされていない事件現場(現実)から、犯人の思惑や被害者の生活(メソッド)などを通して
  新たな解釈を導き出した。
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このように、私たちmctのインサイト調査では、さまざまな現実理解の方法を組み合わせて、未来へのインパクトを持った優れた“インサイト”を導出します。

さあ、今こそ私たちといっしょに、華麗に真相にたどり着く主人公刑事になるチャンスです。ぜひmctのインサイト調査をお試しください。

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Koji Hodono株式会社mct エクスペリエンスデザイナー/エスノグラファー

Aug 04, 2017 06:56 ユーザー本人も自覚していないゴールを見つけるには?

beach.png少し前になりますが、夕方のニュースに須磨海岸が出ていました。ビーチの入口(砂浜が始まる場所)から波打ち際まで続く長いマットが敷き詰められたというニュースで、そんな長いマットどうするかというと、その上を車いすが通るそうです。言われてみたらそうか、と思ったのですが、普通の砂浜だと車輪が砂を噛んでしまい、車いすが動けなくなるらしく、だからこれまで車いすの人はなかなかビーチに行けなかったそうです。確かにビーチで車いすって1回も見たことないです。

今年の須磨では、このマットのおかげで車いすの高齢者や障がい者、ベビーカーのファミリーなどがビーチを満喫している、とのことでした。このビーチマットを考案したのは、自身も脚に障がいがあって車いすを利用している男性だそうで、べつに日ごろから車いすでビーチに行けなくて悔しい思いをしていたとか、そういうわけではなく、「海は眺めるもの、と思い込んでいた」という、彼のインタビューのコメントが印象的でした。

こういう目からうろこ的なアイデアに出会うといつも「あ、それがあったか」とちょっと悔しいような、考えた人を尊敬するような気持ちになります。どうしたら「車いすの人を波打ち際まで連れて行くビーチマット」というアイデアに辿り着くのでしょうか?車いす利用者にインタビューして「普段、車いす生活で不便に思うタイミングは?場所は?」って質問しても、「海は眺めるもの」と思っている人に「砂浜で車いすが動かなくなって困ります」とは答えてもらえないような気がします。

このようにユーザーの「不満」、または「課題」として意識していることは、おそらく実際の問題のほんの一部で、「本当はこうしたい」というニーズは無意識のうちにあきらめてしまっているのではないでしょうか。私たちは “人々が無意識にあきらめてしまっていること”を「暗黙の前提」と呼んでいます。そして「暗黙の前提」という枠組みを認識し疑うことで、問題解決の視点を大きく広げてくれる「ギャップファインディング」をいうメソッドをご用意しています。いつの間にか「あたりまえ」になってしまっていて、見えなくなってしまっている人々のあきらめを炙り出すことで、貴社の問題解決をサポートいたします。

もしかしたら、いま目の前の課題について良い解決策がないと少しあきらめてしまっている貴社のお役に立つメソッドかもしれません。ぜひお問い合わせください。

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Natsuki Koizumi

Jul 28, 2017 12:59 『自分で気づいているギャップ、あきらめているギャップ』

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こんにちは、mctデザインインサイトユニットの小幡(こばた)です。

mct
では、さまざまな業界のプロジェクトをお手伝いさせてもらっていますが、ヘルスケア領域のプロジェクトに携わることも少なくありません。

ところで先日、デスクワークの最中にアクビが止まらなくなりました。「あれ?昨日は早く寝たのになあ。逆に寝すぎたかな?」などと考えていたら、しばらくすると「ズキズキ」と偏頭痛のお出ましです。調べてみると、偏頭痛の前兆としてアクビが止まらなくなることがある模様。ふと外を見ると、雨が降りそうな曇り空だったので「気圧が下がってきたこともあって偏頭痛が出てきたのかな?」とか、気づけば朝から休憩なしでパソコン作業に没頭していたので「目の神経が疲れて頭痛を引き起きしてるのかな?」など、過去に偏頭痛を感じた際に調べたことや自身の経験から、いろいろと偏頭痛の原因を探しはじめています。そうこうしているうちに、偏頭痛が「ズキンズキン」とレベルを増してきたので、原因探索より「この症状をなんとかしたい」と考えました。

こんな時、皆さんはどんな解決策を考えますか? 手軽な順番ですと、こんな感じでしょうか。

1]頭痛に効くツボを押す
2]市販の頭痛薬を飲む
3病院に行く


僕の場合、頭痛の常備薬は持っていませんし、偏頭痛で病院という発想には至らないので、[1]のツボ押しを試します。少しでも頭痛が緩和することを期待しながら、ネットで「頭痛 解消 ツボ」と検索。ツボを押すことで頭痛がまったくなくなるとは期待していませんが「少しでもラクになれたら」という気持ちで首の後ろの天柱・風池を押しながら[2]と[3]を選ばない理由を考えてみました。

2]の頭痛薬を飲まない理由は「すぐ収まったり、軽い頭痛では薬は飲みたくない」との考えからです。その背景に「飲みすぎると効かなくなるかも?」という懸念もあり、「痛い!!もう無理だ!!!」というレベルになるまで、僕の場合は選択肢に挙がりません。(「薬を買いに行く」というハードルもあります)

3]の病院受診に至っては、よっぽど症状が長引いたり、尋常ではない痛みだったり、頭を打ったなど他の不安がない限り、選択肢にも挙がらないでしょう。その背景には「病院を受診すべき症状(この症状が出ていたら受診する)や、そのレベル(この症状が一定時間以上続けば受診)等がわからない」ということがありそうです。偏頭痛のような、いわば「ありふれた(と思い込んでいる)症状」の場合、「こんな軽い症状で受診するのは気がひける」といった発想になりがちなのかもしれません。

そう考えると「病院を受診する」というアクションに移る手前には、自分でも深く意識はしていない「暗黙の前提」があるのかもしれません。僕の頭痛の場合だと、例えば「医師が見てあきらかにおかしいと思える症状がなければいけない」とか「自分の症状をきちんと医師に説明できないといけない」などでしょうか。


病院というヘルスケアサービスにおいて、患者さんは、どのような知識や経験を以って、どのように考えて、受診を決意したり治療に臨んでいるのでしょうか? その中で、どのようなことに困ったり、不安を覚えているのでしょうか? 患者さんの「自分自身の思い込み(思考のフレーム)」や「意識して期待していること」、「こうだったらいいけど無理だよね、と諦めつつも期待していること」、「自分でも端から諦めて期待すらしていないこと」などを可視化できると、これまでとは違った解決策が出てくるのかもしれません。



mct
では、ギャップファインディングというサービスをご提供しています。
頭痛ではありませんが「うつ病」をテーマにして「暗黙の前提」を紐解いていく《ギャップファインディング体験ワークショップ》というサービスもご準備しています。参加していただくと、うつ病に関して具体的にどんな暗黙の前提があるのかよく理解できると思います。ワークショップの資料もご用意していますので、ぜひお問い合わせください。

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追伸
結局、頭痛は収まらなかったのでドラッグストアで買った頭痛薬を飲むことで解消しました。[1]を諦めて[2]を選択した僕の頭の中には、どのような期待や不安があったのでしょうね?

Tomo Kobata株式会社mct エクスペリエンスデザイナー

Jun 23, 2017 02:54 エクストリームに学ぶリフレーミング。

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こんにちは、mctデザインインサイトユニットの小泉です。

仕事柄、何百人もの人にインタビューしてきたのですが、そうするといろんな変わった人に出会います。最近も、ある主婦の方のご自宅に取材でお伺いしたら、広くてキレイな大理石の玄関にブルーシートが敷き詰められていました。ちょっと動揺しましたが、「だって玄関に砂とかホコリがたまるの、嫌やんか。シート敷いといたら、汚れてもバッ!とはたいたらすぐキレイになるやんか」と主婦は言いました。「台所のレンジフードの紙のフィルターあるやろ、汚れたらはがして捨てるやつ。あれを見て、玄関にシート敷いたろと思った」とも言っていて、すごい人だと思いました。

普通は、「玄関に砂やホコリがたまるのイヤだな」と思っていても、「玄関は多少汚れるものだ」と受け入れ、せいぜいまめに掃除をして終わりではないでしょうか。あとは、よりラクにキレイにするためのお掃除グッズを買ったりして工夫したりするんだと思います。「玄関は汚れるもの、そして汚れたら掃除するもの」という考えに捉われると、「汚れ」をあきらめ、「いかにうまく掃除をするか」という方向に目が行きがちです。

先ほどの主婦の人がすごいのは、「玄関は汚れても仕方ない」とあきらめないところです。そうした従来の考え方の枠組みを外し、さらに他のカテゴリ(レンジフードの紙のフィルター)と比較し、ヒントを得ることで、普通の人が思いもつかないようなアイデア(ブルーシート)が出てくる、それを目の当たりにしたような気がしました。

まるでネタのようなこの事例に私たちが学ぶべきは、普段いかに何かに捉われて物事を見ているか、ということです。つまり、私たちは無意識のうちに何かの枠を自らに課してしまい、自らモノの見方を狭めてしまっているんだな、ということをこの事例は物語っています。

mctのギャップファインディングは、このような「暗黙の前提」というべき枠組みを認識し疑うことで、問題解決の視点を大きく広げてくれるメソッドです。この主婦の人のように「あたりまえ」と思っている枠組みを超えた問題解決の手法がないか、とお困りの方、ぜひお問い合わせください。

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Natsuki Koizumi

Jun 20, 2017 08:51 「行政書類」と「機種変更」~ギャップファインディングというメソッド~

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こんにちは、mctデザインインサイトユニットの小幡(こばた)です。


今朝、移動中の新幹線の中で、「マイナンバーの電子申請、LINEで可能に」という車内ニュースが目に飛び込んできました。ちょうど先週末に、健康保険に関する変更申請書類を記入する必要があったこともあって、気になったのですぐにスマホで調べてみました。

マイナンバー制度の個人向けサイト「マイナポータル」と無料通信アプリ「LINE」の連携については、どうやら「メッセージアプリで日本で最も多い6,800万人が利用しているLINEで、行政窓口を身近にする第一歩にしたい」という目論見のようです

この取り組みの使い勝手などが、実際にどのようなものになるかはわかりませんが「手続きがラクになって、使い勝手がよくなりそうだな」という気持ちにはさせられますよね。


と言うのも、皆さんもご経験がおありかと思いますが、行政の手続き(特に書類記入)というのは、なぜか気合いが必要です。
 

まずは「書き方の理解」に数分から数10分。そして実際に書き始めて「これでいいのかな?」と悩むこと数分。やっと「書き上げた!」と思って見直していると勘違いに気付いて複数箇所修正すること数分。修正も見直しもできていざ窓口に持っていきながらも「これでほんとに合ってるのかなぁ」と自信がない状態で提出。そして窓口の係の人に見てもらいながら、間違っているところを指摘されたらどうしようとドキドキしながら待つ。。。

というように、最初から最後まで常に不安が付きまとってくるんですよね。でもこれが行政の手続きというもの。


一方、この前の日曜日、気に入って使い続けてきたスマホが、ついに使えないレベルのスローモーな動きになってきたので機種変更をすることに。突如思い立ってお店に行ったにも関わらず、マンツーマンでかつ懇切丁寧に変更の手続きを終えることができました。その時、健康保険に関する変更申請書類記入の時に感じた不安は一切なく、ほんとにスムーズに機種変更ができました。


さて、僕が体験したこの2つの出来事を比較して考えたことは、「行政の手続きってこういうもんだよね、面倒だけどそういうもんだよ」という諦めや妥協がある、ということでした。

そして実は、この「比較」こそ重要で、「手続き」ということについて行政と民間の比較ができたからこそ、行政の手続きについて「小難しく、記入しにくい書類を、不安になりながら埋める」ことを「あたりまえのこと」として強いられ、それを「自分も受け容れてきた」ということに気付けたわけです。

このように、まったく別のカテゴリーとの比較を通じて、さまざまな場面に「あたりまえ」のこととして埋め込まれてユーザーの期待を阻んでいる「暗黙の前提」を認識することは、問題解決の視点をグーッと広げてくれます。

それが、mctの「ギャップファインディング」というメソッドです。

このブログを読んでいただいているサービス提供側の皆さんも「何かを変えよう、何か新しいことを生み出そう」と常に奮闘しているのに「なかなかうまくいかない」とお悩みの方がいらっしゃるかもしれません。それはもしかすると、従来の枠組みの中で奮闘されているからかもしれません。僕の場合はたまたま短期間に違うカテゴリーの「手続き」を体験したために気付くことができましたが、「ギャップファインディング」はそうした枠組みを取り払うための視点を導き出すためのメソッドなのです。


ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

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