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Mar 09, 2018 10:37 ホワイトスペースの見つけ方(3)顧客からホワイトスペースを考える 

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「顧客ニーズとソリューションのギャップによってもたらされるビジネスの空白」のことを我々はホワイトスペースと呼んでいます。そして、そのホワイトスペースを見つけるための3つの要素として「顧客」「ビジネスモデル」「トレンド」があります。今回はこのホワイトスペースの見つけ方について「顧客」という視点から考えてみます。

現行のユーザーを見て、それをセグメンテーション・フォーカシングしていくということは、成長市場ではよく取られる戦略だと思います。ただ、「今持っている知見」でセグメントを分けると、枠を狭めてしまうことになります。結果、ニッチなニーズにフォーカスしたり、枠の外にある大きな機会を見逃すことになります。

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2008年7月24日 日本経済新聞「3ヶ月以内に携帯電話の購入計画のある消費者309人を対象」

よく持ち出す例としては2008年の携帯電話の調査結果。今後のガラケーの形状・操作性について既存ユーザーを細分化している間に、アップルはiPhoneによってまったく新しい世界を切り開きました。

顧客の切り口からホワイトスペースを見つけるには、従来の枠の中で細分化して顧客を定義するのではなく、企業が考える枠の外の切り口で顧客を捉えなおすことで、もともと考えていなかったユーザー・ニーズを目をつけることが必要です。顧客をリフレームする方法としては「顧客理解のフォーカスとスコープを変えること」です。

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NIKE+は「靴を買う人」から「ジョギングをする人」に顧客理解のフォーカスを広げ、靴だけでは解決できなかった未充足ニーズを捉えました。一方、QBハウスは「理髪店・美容室に行く」という1つの行動を細分化して「髪を切る」ポイントだけにフォーカスを狭めて成功しています。

顧客ライフサイクル全体を捉える視点も重要です。商品を購入するところに目がいきがちですが、その前後には様々なフェーズがあります。メルカリはそのライフサイクルを捉えたUXを提供しています。

今回、ホワイトスペースの見つけ方として3つの切り口から紹介しましたが、いずれも重要なことは従来の考え方とは視点をずらす「リフレーミング」を行うことです。自分の中、業界の中で暗黙の前提になっている支配的な現実の見方、ルール、規範を意図的に超えることで、これまで検討してこなかった次元の解決策を導き出すことができます。

自分が属している業界の視点と、その業界を俯瞰的にみる視点の両方をうまく使い分けながらホワイトスペースを探してみてください。

 新規事業・新規技術のビジネス開発プログラム   

Shinpei Tsurumori株式会社mct エクスペリエンスデザイナー/ストラテジスト

Mar 05, 2018 09:35 ホワイトスペースの見つけ方(2)ビジネスからホワイトスペースを考える

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「顧客ニーズとソリューションのギャップによってもたらされるビジネスの空白」のことを我々はホワイトスペースと呼んでいます。そして、そのホワイトスペースを見つけるための3つの要素として「顧客」「ビジネス」「トレンド」があります。今回はこのホワイトスペースの見つけ方について「ビジネス」という視点から考えてみます。

あるビジネス領域での事業を考えるとき、たいていはその領域で事業を行っている競合企業の存在があります。そして、そのビジネス領域では、すでに重視されている要素(既存ニーズ)が明らかで、その中で差をつけようと企業努力をしています。例えばレンタカーというビジネス領域では、車種・利便性・価格・スピードといった要素が代表的な要素として挙げられます。

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しかし、このような「既存の差別化要素」でビジネスを考えている間は、競合他社と競争軸が変わらないのでホワイトスペースに達することはできません。同じ土俵で勝負しても力比べになるだけです。そのためそのビジネス領域において競合企業がどのような要素で勝負しているのか、逆に競合企業が勝負をしていない要素は何か、を網羅的に理解し、その業界におけるビジネスの既成概念(バイアス)を洗い出すことで、隠れた機会にたどり着くことができます。

フレームワークを使って網羅的に業界のバイアスを洗い出す1つの手法として、イノベーションコンサルティングファームのDoblin社が開発した「Ten Types of Innovation(amazon)」というフレームワークがあります。

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例えば、あるビジネス領域の3社を分析した結果が図のようになるとしたら、オレンジの破線で示す部分は「競合他社と勝負して差別化になりうる機会」、もしくは「勝負しないことが差別化になりうる機会」が見えてくる、というものです。

これは新事業開発に限らず、既存領域での商品開発でも有効です。「新しいコンセプトの商品を考えないといけない」というときは、自分・自社の中にあるビジネス領域の既成概念(バイアス)を視覚化し、どこに、どれだけ偏っているかを一度確認しておいたほうが、その後に発想するコンセプトも効率的に発想できると思います。

 新規事業・新規技術のビジネス開発プログラム  

Yoichi Sugiki株式会社mct エクスペリエンスデザイナー

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