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Jun 30, 2017 02:04 エスノグラフィで組織文化を理解する

撮影風景.pngワークショップで“その会社らしさ”を表している事物を収集している様子

 

こんにちは、白根です。4月の話になりますが、新入社員と先輩社員合同で「自社の文化を解明する」ワークショプをしました。手順は、新人チームと先輩チームに分かれて、会社らしさを感じるモノや空間、メッセージを撮影します。それらを集めて、自社で明文化されているヴィジョンや行動規範と比べます。先輩チームの方は明文化されたヴィジョンや行動規範を表している写真が多く、新人チームの方は、それとは関係のない、あるいは逆の意味を反映した写真が多くなります。 

 

「新人の皆さんも早く当社の文化を学んで正しい写真が撮れるようになってください、以上。」新人チームが間違った写真をたくさん集めてしまったと考えるとここで終わってしまうのですが、実はこのワークショップは、関係のない写真や逆の意味を反映した写真を集めてくれた新人の視点がキーになります。例えば、行動規範では「チームワークを大切にしよう」と謳われていて、新人が撮影した写真はイヤホンをつけて仕事をしている社員や背中を向いて仕事をしている社員とか、ヴィジョンや行動規範と関係のない写真や逆の意味を反映した写真は、会社が標榜している価値観と、現場で実際に起きていることとのギャップを表しています。このワークショップでは、そのようなギャップをもたらしている、「チームワークを大切にしよう」という行動規範よりも影響力のある、社員の間で暗黙的に共有された考え方や価値観は何だろうか、=明文化されていない組織の文化をみんなで考えていきます。それらは、会社の運営を阻害している要因であることもあれば、会社の運営を円滑にしている要因であったりもします。

 

mctでは、クライアントの組織やチームのカルチャーコード(行動規範)の制定や浸透などを通じて、組織変革のお手伝いをしていますが、その最初のステップとして重要なのが、このようなワークを通じて、自分たち自身も意識していない自社の文化を共有することです。その際に、メンバーが組織変革のプロセスや考え方、ポイントを共有することも大切です。組織変革のポイントが共有できるマンガを使った半日から1日の研修もご用意しています。組織変革のテーマにご興味がある方は、こちらもご覧ください。

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マンガ研修の教材 


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Hideaki Shirane株式会社mct CEO / ストラテジスト

Jun 29, 2017 01:59 100の説明より、1つのメタファー

こんにちは、mctの増田です。

みなさんは『ナイトクローラー』という映画をご存知でしょうか?

刺激的なスクープ映像をTV局に高値で売りさばく「映像パパラッチ」が暗躍する作品で、常軌を逸した主人公Lou(ルー)の狂気は、一度観るとトラウマものです。

Louは過去に類を見ないキャラクターで性質を言い表すのが難しいのですが、連想するキーワードを挙げるならば、「非情/貪欲/高い学習能力と適応力/周囲を出し抜く才能」といった感じでしょうか。手段を選ばず事故や犯罪の決定的瞬間を狙う姿が、とにかく淡々と描かれます。

主演のジェイク・ギレンホールは、本作のために実に12キロも減量したと言います。頬はこけ、眼窩は落ちくぼみ、見た目からしてかなり不気味なのですが、自分が感じた戦慄は、そういった外見以上に、むしろ「内面からにじみ出る何か」のせいに思えてなりませんでした。

鑑賞後、その「何か」の正体を求め、彼がどんな役作りをしたのか調べてみたところ、興味深いコメントを見つけました。 

“I always thought Lou was a coyote.”

主人公のLouを「コヨーテ」に見立てていたというのです。

nightcrawler.png

これはいわゆる「メタファー」を活用したアプローチと言えます。

名著『レトリックと人生』の言葉を拝借すると、メタファーの本質は、「ある事柄を他の事柄を通して理解し、経験する」ことですが、このケースでは、「Lou」という未知のキャラクターを、「コヨーテ」という既知のモチーフを通して強烈に訴えかけることに成功しています。

下記はコヨーテの特徴を列挙したものですが、驚くほどLouの性質に酷似していました。

・痩せこけており、常に腹をすかせている(そもそも太ったコヨーテは存在しない)

・夜になると、餌を求めて山から下りてくる

・地球上で最も適応力のある動物と言われるほど、高い生命力を誇る

・古来の神話の中で「トリックスター(ペテン師)」として描かれている

種明かしをされると「なんだ」という感じですが、この話のポイントは、「一見しただけでは、コヨーテをメタファーにしているとは気がつかない」点にあると思います。映画の中で、Louのバックグラウンドは全くと言っていいほど語られません。直接的な説明に頼らず、表情・動き・セリフの言い回しなどを、「コヨーテ」というメタファーを軸に構築することで、さりげなく、しかし圧倒的な存在感を生み出しているのです。

こうした「メタファー」をコンセプトに応用する発想は、ビジネスにおいても有用です。適切なメタファーさえ見つけられれば、冒頭私が挙げた「非情/貪欲/高い学習能力と適応力/周囲を出し抜く才能」といったくどくどしい説明をショートカットして「要はこうである」という本質に一気に迫ることができるからです。

ほんの15秒しかないTVCMや、店頭での一瞬で「新商品」を伝えなくてはいけない局面において、「本質に一気に迫れる」ことは、それだけで大きなアドバンテージとなるでしょう。

しかもメタファーは、上述したように、しばしば「一見しただけでは気がつかない」ものです。これは「競合に模倣されにくい」と言い換えることができ、その点でも優れていると思います。

さらに付け加えると、メタファーは人の無意識に働きかけるため、共感を呼びやすくなります。件の作品の監督/脚本を務めたダン・ギルロイは、あるインタビューの中で「“自分とかけ離れたサイコパス”の一言で観客が片づけられないような人間味をLouに出したかった。“観る人が彼に共感できるように”と常に考えていた」といった旨の発言をしていましたが、まさに目論見通りだと感じました。

実際、「なんだかうまく説明できないが、理屈を超えて共感できる」商品は、「メタファー」を上手に取り入れていることも多いです。(有名な例では、KIRINFIRE』の『Zippoライター』や、IBMThinkPad』の『松花堂弁当』など)

新しい商品やサービスを世の中に展開する時、過剰に「説明」をしてしまってはいませんか? もしそう感じる節があるようならば、「メタファー」を使ったアプローチは有用な手段です。

ちなみに、「メタファー」には表層的なものに加え、より本質的な『ディープメタファー』なるものが26個ほど存在するのですが、こちらの紹介はまた別の機会に譲ろうと思います。

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mctでは、ユーザーの無意識から「メタファー」を表出させる世界的メソッドZMET(Zaltman Metaphor Elicitation Technique)のライセンスを、日本企業で唯一保有しています。

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Nobuo Masuda株式会社mct エスノグラファー/エクスペリエンスデザイナー

Jun 23, 2017 02:54 エクストリームに学ぶリフレーミング。

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こんにちは、mctデザインインサイトユニットの小泉です。

仕事柄、何百人もの人にインタビューしてきたのですが、そうするといろんな変わった人に出会います。最近も、ある主婦の方のご自宅に取材でお伺いしたら、広くてキレイな大理石の玄関にブルーシートが敷き詰められていました。ちょっと動揺しましたが、「だって玄関に砂とかホコリがたまるの、嫌やんか。シート敷いといたら、汚れてもバッ!とはたいたらすぐキレイになるやんか」と主婦は言いました。「台所のレンジフードの紙のフィルターあるやろ、汚れたらはがして捨てるやつ。あれを見て、玄関にシート敷いたろと思った」とも言っていて、すごい人だと思いました。

普通は、「玄関に砂やホコリがたまるのイヤだな」と思っていても、「玄関は多少汚れるものだ」と受け入れ、せいぜいまめに掃除をして終わりではないでしょうか。あとは、よりラクにキレイにするためのお掃除グッズを買ったりして工夫したりするんだと思います。「玄関は汚れるもの、そして汚れたら掃除するもの」という考えに捉われると、「汚れ」をあきらめ、「いかにうまく掃除をするか」という方向に目が行きがちです。

先ほどの主婦の人がすごいのは、「玄関は汚れても仕方ない」とあきらめないところです。そうした従来の考え方の枠組みを外し、さらに他のカテゴリ(レンジフードの紙のフィルター)と比較し、ヒントを得ることで、普通の人が思いもつかないようなアイデア(ブルーシート)が出てくる、それを目の当たりにしたような気がしました。

まるでネタのようなこの事例に私たちが学ぶべきは、普段いかに何かに捉われて物事を見ているか、ということです。つまり、私たちは無意識のうちに何かの枠を自らに課してしまい、自らモノの見方を狭めてしまっているんだな、ということをこの事例は物語っています。

mctのギャップファインディングは、このような「暗黙の前提」というべき枠組みを認識し疑うことで、問題解決の視点を大きく広げてくれるメソッドです。この主婦の人のように「あたりまえ」と思っている枠組みを超えた問題解決の手法がないか、とお困りの方、ぜひお問い合わせください。

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Natsuki Koizumi

Jun 22, 2017 03:10 感覚の記憶 Memory of sense

時々、心の中を整理したいとき、奈良の東大寺を訪れる。巨大な空間の中に少しだけ座れる場所があり、1時間ほど座る。目の前に大きな仏がいるので、せっかくなので声をかけるのだが、たいてい大仏は無言のままだ。という訳で、特に心の中が整理される訳ではないが、「ま、いいか」という変な充足感を得て、帰る。Sometimes, when I want to reset my thought, I visit Todaiji temple in Nara. There is a place where I can sit a bit in a huge space and I sit for about an hour. There is a big Buddha in front of me. There's a chance to have dialog with him, so I ask him something, but the Big Buddha usually keep silent. So, although the inside of my heart is not organized, I get a strange satisfaction feeling "Well, good?", then I return to home.

Todaiji.jpg

僕にとって、この東大寺には思い出が多い。小学校の授業で東大寺の近辺に絵を描きに行ったこと、両親や妹と出かけたこと、友達と初詣に毎年行ったこと、そして時がたち、いまは妻や子供とのちょっとしたお出かけの場所であること。東大寺がそれらの記憶を象徴するシンボルとなってる。仏教の意味合いは十分に知らない。だけど、僕にとって無意識のレベルで安心感を与えてくれる大事な空間なのだろうと思う。ひんやりとした寺の内部と広い木造の寺院ならではの音の響きは、古い記憶と新しい記憶を混ぜ合わせ、安堵の感情をもたらしてくれる。For me, this Todaiji has many memories. I went to paint in the neighborhood of Todaiji in the elementary school classroom, I went out with my parents and sister, every year to my Hatsumode with my friends, and now, at times, a little outing with my wife and children something. Todaiji is a symbol that symbolizes those memories. I do not know the meaning of Buddhism sufficiently. However, I think that it is an important space that gives me a sense of security at the unconscious level. Inside of a cool temple and The unique sound of the wooden temple blends old memories and new memories and brings me a feeling of relief.

東大寺の例はあまりにもパーソナルかもしれない。一方で、多くの人が体験したものならば、多くの人に共通するインサイト(※ここでは、共通する特徴という程度の意味)になり得るだろう。おばあちゃんの家の香り、家具、幼少期に遊んだおもちゃ、思春期に聞いた音楽。これらを考えると、資生堂が日本女性の化粧史を発表していたことを思い出す。女性のメイクも時代とともに変化しているが、そうであるならば、各世代において“母親感”も異なるのだろう。This  example of Todaiji temple might be too personal. On the other hand, if many people experience a certain stuff or event, it will be common INSHIT (※ here, the meaning is common features) to many people. Fragrance of grandmother's house, furniture, toy played in childhood, music heard in adolescence. While considering these, I recall that Shiseido had announced the makeup history of Japanese women. Women's makeup has also changed with the times, but if so, the "mother's feel" will differ for each generation.

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Reference : 資生堂「日本女性の化粧の変遷100年」
http://hma.shiseidogroup.jp/info/p20161222_5392/

こちらはアメリカのバージョン。米国の人はどのような母親感を持っているのだろう。This is an American version. I wonder what sort of mother's feeling does the American people have.

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Reference : https://www.youtube.com/watch?v=LOyVvpXRX6w

海外でデザインの嗜好性をリサーチしたときも、その国の人が幼少期からよく目に触れてきたものに行き当たることがあった。当たり前だが、どの国の人にも大切にしたい感覚がある。エスノグラフィを行いながらその深い感覚に触れたとき、ノスタルジーを共有させてもらったような、温かい気持ちをもらえる。When I researched design preferences abroad, I found something that the people in that country touched frequently from childhood. Naturally, for anyone in the country, there is a sense that they want to cherish. When I touch that feel while doing ethnography, I can feel deep warmth like having nostalgia shared by them.

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Takeshi Sato株式会社mct ストラテジスト

Jun 20, 2017 08:51 「行政書類」と「機種変更」~ギャップファインディングというメソッド~

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こんにちは、mctデザインインサイトユニットの小幡(こばた)です。


今朝、移動中の新幹線の中で、「マイナンバーの電子申請、LINEで可能に」という車内ニュースが目に飛び込んできました。ちょうど先週末に、健康保険に関する変更申請書類を記入する必要があったこともあって、気になったのですぐにスマホで調べてみました。

マイナンバー制度の個人向けサイト「マイナポータル」と無料通信アプリ「LINE」の連携については、どうやら「メッセージアプリで日本で最も多い6,800万人が利用しているLINEで、行政窓口を身近にする第一歩にしたい」という目論見のようです

この取り組みの使い勝手などが、実際にどのようなものになるかはわかりませんが「手続きがラクになって、使い勝手がよくなりそうだな」という気持ちにはさせられますよね。


と言うのも、皆さんもご経験がおありかと思いますが、行政の手続き(特に書類記入)というのは、なぜか気合いが必要です。
 

まずは「書き方の理解」に数分から数10分。そして実際に書き始めて「これでいいのかな?」と悩むこと数分。やっと「書き上げた!」と思って見直していると勘違いに気付いて複数箇所修正すること数分。修正も見直しもできていざ窓口に持っていきながらも「これでほんとに合ってるのかなぁ」と自信がない状態で提出。そして窓口の係の人に見てもらいながら、間違っているところを指摘されたらどうしようとドキドキしながら待つ。。。

というように、最初から最後まで常に不安が付きまとってくるんですよね。でもこれが行政の手続きというもの。


一方、この前の日曜日、気に入って使い続けてきたスマホが、ついに使えないレベルのスローモーな動きになってきたので機種変更をすることに。突如思い立ってお店に行ったにも関わらず、マンツーマンでかつ懇切丁寧に変更の手続きを終えることができました。その時、健康保険に関する変更申請書類記入の時に感じた不安は一切なく、ほんとにスムーズに機種変更ができました。


さて、僕が体験したこの2つの出来事を比較して考えたことは、「行政の手続きってこういうもんだよね、面倒だけどそういうもんだよ」という諦めや妥協がある、ということでした。

そして実は、この「比較」こそ重要で、「手続き」ということについて行政と民間の比較ができたからこそ、行政の手続きについて「小難しく、記入しにくい書類を、不安になりながら埋める」ことを「あたりまえのこと」として強いられ、それを「自分も受け容れてきた」ということに気付けたわけです。

このように、まったく別のカテゴリーとの比較を通じて、さまざまな場面に「あたりまえ」のこととして埋め込まれてユーザーの期待を阻んでいる「暗黙の前提」を認識することは、問題解決の視点をグーッと広げてくれます。

それが、mctの「ギャップファインディング」というメソッドです。

このブログを読んでいただいているサービス提供側の皆さんも「何かを変えよう、何か新しいことを生み出そう」と常に奮闘しているのに「なかなかうまくいかない」とお悩みの方がいらっしゃるかもしれません。それはもしかすると、従来の枠組みの中で奮闘されているからかもしれません。僕の場合はたまたま短期間に違うカテゴリーの「手続き」を体験したために気付くことができましたが、「ギャップファインディング」はそうした枠組みを取り払うための視点を導き出すためのメソッドなのです。


ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

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Tomo Kobata株式会社mct エクスペリエンスデザイナー

Jun 16, 2017 07:05 新しい時代のラーニングメソッド

受動型学習から参加型学習へ。

こんにちは、mctの米本です。「Active Learning」という言葉が教育の分野で注目を集めています。古くから学習の方法論として行われてきた「講義」や「読書」はPassive Learningと呼ばれ、それに対して「グループ討議」や「実践・エクササイズ」といった受講者参加型の学習方法がActive Learningです。ティーチングメソッドに関する研究が進むにつれて、このActive Learningが学習の定着効果が高いことが分かってきました。(図1)

learning pyramid.png

 

Active Learningの代表的な例として最も有名なのがHarvard Business Schoolをはじめとする世界中のビジネススクールで活用されるケースメソッドです。ケースメソッドでは実在する企業を題材に取り上げたビジネスケースと呼ばれる教材を使って、実際のビジネスにおける様々な出来事を疑似体験しながら学習していきます。ビジネススクールを受講する生徒たちは卒業するまでの2年間で、200本前後のビジネスケースを学ぶと言われています。現実の世界ではなかなか経験できない貴重な事例を短期間でたくさん疑似体験することができるというわけです。

 

mctでは、このケースメソッドの理論をもとに、株式会社msc様(マネージメントサービスセンター/http://www.msc-net.co.jp/)との共同メニューとして『マンガ』を使ったトレーニンングプログラムの提供を開始しました。ある玩具製造業を舞台としたストーリーで、「イノベーション」「顧客志向」「チームワーク」といったテーマでトレーニング教材としてお使いいただけます。(図2:マンガ教材の1ページ

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マンガを教材に使うことによる具体的な効果として、下記のようなポイントが挙げられます。

Realistic|リアルなシチュエーションに没入する

Reflection|自らの視点で解釈し、気づきを得る

Roles|様々な立場で考え、視野を広げる

Resolution|解決策を見出し、自分の言葉で表現する

 

ケースメソッドと同様にActive Learningとしての効果が高いことに加えて、ビジネスケースと比較するとマンガ教材の方が「短時間で誰でも読みやすい」「イラストを使うことで想像や共感の広がりが大きい」といったところに特徴があります。今までの研修プログラムの効果に疑問を感じている従業員教育をもっと新しい方法でやりたいといったお考えをお持ちの方は、ぜひご検討されてはいかがでしょうか。

 

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Akihiro Yonemoto株式会社mct エクスペリエンスデザイナー/ストラテジスト

Jun 14, 2017 02:00 デヴィッド・トング氏がロンドンでイベントに登壇されました。

弊社パートナー、元IDEOのデヴィッド・トング氏(現the Division)が、
ロンドンで行われたTOTO株式会社の100周年記念イベントで
5月23日に行われたパネルディスカッションに参加されました。
テーマは、「日本のデザイン」と「イギリス文化に影響を与えたデザイン」。
トング氏はパネラー兼、日本の生活風景写真キュレーターとして登壇されました。
 
Shuichi Jouriku株式会社mct エクスペリエンスデザイナー/エスノグラファー

Jun 14, 2017 10:45 Designed by Apple in California. Made in China. London Used. カリフォルニアでデザイン、中国で製造、そして、ロンドン人が使用済の魅力的な製品

こんにちは、mctのEricです。僕のほうからエスノグラフィのヒントとなるトピックをご紹介します。英語で失礼します。

Knowing about where a thing comes from, or by/for whom it was made, is usually considered part of it's value. Part of that value relates to functional considerations, but it also relates to the subtext around the thing and the mindsets of the people who interact with it. 「誰が提供した商品なのか」という情報は、その商品の価値に結びつく。ただ、その商品の周辺にある情報、または関与する人のマインドセットなども、そこに影響を与える。

Locally grown. Union Proud. 100% Fair Trade. Made in America. monozukuri. 地元産、おススメ商品、フェアトレード、アメリカ産、モノヅクリといった、言葉。

As design researchers, we are always looking to understand how products and services exist in context they are used, in order to understand deeply the range of goals that drive user and consumer behavior. And often times, it is digging into the messy, "thick" kind of data like language use which provides the clues to bring things together. 我々はデザインリサーチャーとして商品やサービスを使用されるコンテキストの中で理解し、その背後に隠されたゴールやニーズを知る。その際、そこで使われている言葉にも踏み込むことがある。

The other day, I happened to come across a short article describing why people in Nigeria would not be buying iPhone 7s despite Apple's popularity in the country. Within points of basic economic issues and supply and demand, the author mentioned the large amount of second-hand phones available, popularly referred to as "London use" phones. 先日、アップルユーザの多いナイジェリアでiPhone7sが売れないことを書いた記事を目にした。もちろん経済問題などにも言及はあったが、同国では中古のケータイ市場が大きいことも言及されていた。ただその際、よく「London used(ロンドンの中古品)」と記載されているようだ。

Intrigued by the euphemism for used items, a quick web search resulted in several hits for "london use" phones, electronics, and cars. その表現に興味を持ち少し検索をしてみたが、London used のケータイ、家電製品、自動車などがナイジェリアにおける検索結果として現れた。

But why "London use"? When did this phrase originate? Is it only used in Nigeria? What is the extent of its use? How do people feel about this phrase? しかしなぜ London used なのか。その言い回しはどこから来たのか。それはナイジェリアだけで使われている言葉なのか。その言葉の意味の範囲は?その言葉を聞いてナイジェリアの人はどう感じているのか・・・

I couldn't find anything which gave me insight into this until I found the following instagram video by Nigerian comedian, Leakingmouth. 以下のナイジェリア人コメディアンLeakingmouth氏のインスタグラムのポスト(リンク先でクリックすると動画が再生されます)を見て、少し理解が進んだ。

https://www.instagram.com/p/BUQ8LrdhK85/ (Source: leakingmouthさん)

What seems like just an exaggerated mock-advertisement for selling fairly used products, it quickly slips past electronics to include agricultural and political 'products'. 広告の誇大表現のような印象だ。この言葉の使用は工業製品だけに留まらず、農作物や行政のサービスまでにも及ぶようになったようだ。

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A few twitter posts from as early as 2013 show that "London use" indicates a more trusted quality (as compared to domestic products), but at a price that is within reach. But, chickens London use ? ツイッターの投稿を見ると、少なくとも2013年あたりからは London used は“国内製品よりも信頼できるが、比較的安価で手に入るもの”を指し示す言葉として使われているようだ。しかし、鶏肉も London used ??

What could have been simply a small term describing a incidental fact about used products in Nigeria ended up connecting to a deeper concern about opportunities and capabilities among Nigerians today. ナイジェリアにおいてかつて、たまたま、London used という言葉が中古商品に対して使われたのかもしれない。ただそれが、同国において広く深い意味合いを持つように展開していったのだろう。

It reminded me a bit of how many Americans will talk about "Mexican Coke", the version of Coca-Cola that uses real sugar instead of the high-fructose corn syrup used for the domestic American market. A closer taste to the original and harder to find, it has become a shorthand for the kinds of compromises made to quality based on corporate interests. それはアメリカ人が“ちゃんとした”砂糖を使って製造されたコーラを「メキシカンコーク」と呼ぶのを想起させる。(現在アメリカで売られているコーラには肥満増加の原因ともされる安価なコーンシロップが甘味料として使われている)。 メキシカンコークの話は「元祖コーラ」や「レア物」として、アメリカでの企業による追利益、品質への妥協の象徴となっている。

Without knowing much about Nigerian people or society, I can only hypothesize about what "London use" symbolizes for them. But my sense is that, like "Mexican Coke" for Americans, or monozukuri for Japanese, looking into the phrase "London use" could lead to some interesting insights and a far richer understanding of what concerns people in Nigeria. ナイジェリア人を良く知らないままでは仮説を深めることはもちろんできないが、アメリカ人の「メキシコ産コーラ」、ナイジェリア人の London used 、日本人の「ものづくり」といった特別な言葉の理解は各国の人々の関心の対象を理解する良いヒントになるのだろうと思う。

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Eric Frey株式会社mct エスノグラファー/ストラテジスト

Jun 14, 2017 10:23 プロジェクトチームのクセを認識してイノベーションの可能性を高める

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 こんにちは、白根です。

イノベーションプロジェクトの進め方についてお話しします。

 

 

イノベーションの価値の大きさとチームの多様性の関係

 

このグラフをご存知でしょうか。

ハーバードビジネススクールのLee Fleming准教授が17,000件の特許を分析したグラフです。
Perfecting Cross-Pollination, Lee Fleming
https://hbr.org/2004/09/perfecting-cross-pollination

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横軸はプロジェクトチームの専門領域の多様性、縦軸はイノベーションが生み出した価値の大きさ。青い線が示しているように、価値の大きさとチームの多様性が反比例しています。ところが、グラフの右上を見ると、そこにパラパラとイノベーションがプロットされています。つまり、非常に大きな価値をもたらすイノベーションは多様性の低いチームによって生み出されているということです。

このグラフは「価値のあるイノベーションには多様性に富んだチームが必要だ」という説明をする時に使われることが多いのですが、プロジェクトをたくさん経験してきた立場から眺めると、プロジェクトの始まりや途中でもこのグラフと似たパターンになることに気づかされます。

イノベーションのプロセスがこのグラフのパターンで進んでいったために、結果がこのグラフのようになったと考えることはできないでしょうか。もしそうなら、イノベーションのプロセスで意識的にグラフと異なる行動をとることで、結果のパターンをよりよい方向に変えることができるはずです。

今回はイノベーションプロセスの3つの段階での対処方法について考えてみます。

 

 

【1】テーマのスコープをマネジメントする

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例えば、このグラフの横軸はそのままにして、縦軸をプロジェクトのスコープの広さに置き換えると、多様性の低いチームはプロジェクトのスコープが狭すぎ、多様性に富んだチームは、プロジェクトのスコープが意図しない方向にまで広がっているというグラフになります。これは、プロジェクトのスタート段階でよく見かけるパターンです。

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多様性の低いチームでは、暗黙のうちにイノベーションを狭い範囲で共有してしまっています。一方、多様性に富んだチームは、目指すべきイノベーションの方向が定まっておらず、プロジェクトのスコープが意図しないところににまで広がってしまいがちです。この行動パターンを変えるには、多様性の低いチームも多様性に富んだチームも、プロジェクトをスタートさせる前に、イノベーションのヴィジョンや定義、戦略、制約事項を明示的な形で共有し、それに沿ってプロジェクトのスコープを決める。そして、多様性の低いチームはプロジェクトのスコープを意識的に広げるように、多様性に富んだチームは意識的にプロジェクトのスコープを広げすぎないようにする。このことを徹底することで、プロジェクトのスタート段階をよりよい方向に変えることができます。

 

 

【2】アイデア創出の幅をマネジメントする

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次に、縦軸をアイデアの幅の広さに置き換えると、このグラフはアイデア創出段階によく見かけるパターンになります。多様性の低いチームは、メンバーの所属部門が得意とする領域や、自社や業界がこれまでやってきた領域にアイデアが偏りがちです。そうなってしまうのは、顧客が抱える問題を従来の見方で捉えてしまっているからです。一方、多様性に富んだチームでは、顧客の問題に焦点が当てられずに、脈絡なくアイデアが出てしまう傾向があります。

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アイデア創出段階では、多様性の低いチームも多様性に富んだチームも、顧客の真の問題に焦点を当てるようにする。その上で、多様性の低いチームは、イノベーションをもたらすアイデアの幅の広さを理解し、意識的に自部門や業界の慣行から離れてアイデアを出すようにする。多様性に富んだチームは、個々のアイデアの良し悪しに終始するのではなく、幅広いアイデアを顧客の問題に焦点を当ててコーディネートするようにする。このことを徹底すれば、アイデアの質は自ずと高まってくるはずです。

 

 

【3】アイデア選定をマネジメントする

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そして、アイデア選別の段階でも似たようなパターンになります。多様性の低いチームは、トップや上司などの内部の意向を意識してアイデアの選択が保守的になりすぎ、逆に類似性の低いチームは、現実的な評価をせずに無謀な判断をしてしまう傾向があります。

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どちらもリスキー・シフトといわれる集団思考の状態です。アイデア選別のプロセスでこのような状態から抜け出すには、類似性の高いチームでは機会を最大化するために、多様性に富んだチームでは無駄な損失を最小化するために、どちらのチームも個人的な感情から離れ、主観ではなく、質的/量的な市場の評価を判断基準にする。意思決定を段階的に小分けにして、リスクを最小化する。このことを徹底することでアイデア選別の段階の行動パターンを変えることができます。

 

 

チームのクセを認識して、意識的に変える

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イノベーションプロセスの3つの段階での多様性の低いチーム、多様性に富んだチームそれぞれの行動の癖と、その対処方法についてお話しました。いずれもベーシックなことですが、自分たちのチームの癖を認識して、意識的にそれを変えるように行動すれば、イノベーションを生み出す可能性は着実に高まってくるのではないかと思います。

 

Hideaki Shirane株式会社mct CEO / ストラテジスト

Jun 12, 2017 12:11 カスタマージャーニーマップを使って期待と現実のギャップを捉える

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こんにちは、白根です。

先日、うつ病の患者さんの復職・再就職支援サービスを展開しておられるリヴァさん、家族支援サービスを展開しておられるベータトリップさんと、患者ジャーニーマップ作成ワークショプを開催しました。ドクター、ソーシャルワーカー、看護師、産業カウンセラー、企業の人事部など、さまざまなステークホルダーが、患者ジャーニーマップを使ってうつ病の患者さんをより深く理解し、何ができるか一緒に考えるワークショップです。時間が少し短かかったため、ジャーニーマップのメリットを充分に体感していただけるか不安でしたが、ワークショップ後の振り返りやアンケートではポジティブな感想が多く、ほっとしました。このワークショップの内容はメディカ出版『産業保健と看護』の記事や『日経メディカル』の連載コラムで取り上げていただけるそうです。

カスタマージャーニーマップは、一連の体験において、どんなタッチポイントで、どんなやりとりがあり、それによって顧客がどんな気持ちになったのかをビジュアル化するツールです。それぞれのタッチポイントで、「顧客が期待/予想したこと」と「実際に起こったこと」のギャップを、顧客の気持ちに沿って理解することがポイントになります。ギャップを明らかにすることで、それを埋めるアイデアを出していきます。

実は、「顧客が期待/予想したこと」と「実際に起こったこと」のギャップのさらに上に、もうひとつギャップがあります。それは「顧客が期待/予想したこと」と「顧客が期待/予想できなかったこと」のギャップです。そこには、顧客の期待や予想を阻んでいる暗黙の前提があります。この暗黙の前提に注目することで「顧客が期待できなかった本当に求めていること=顧客の潜在的な期待」を明らかにしていきます。顧客の潜在的な期待に焦点を当て、暗黙の前提に揺さぶりをかけることで、よりインパクトの大きいアイデアを考えることが可能になります。顧客の期待を超える体験を提供しようとする場合は、こちらのギャップに注目する方が効果的です。

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今回のワークショップの振り返りの中で、ある参加者から「うつに対する社会的偏見がいまもあるのが問題。そのことを深く考えるいい機会になった」という感想をいただきました。この感想は、まさに暗黙の前提をうまく捉えています。わたしたちも、うつ病患者さんのジャーニーの中に、多数の暗黙の前提を見出しました。うつ病をテーマに暗黙の前提を紐解いていく「ギャップファインディング体験ワークショップ」に参加していただくと、具体的にどんな暗黙の前提があるのかよく理解できると思います。ワークショップの資料もご用意していますので、ぜひお問い合わせください。

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Hideaki Shirane株式会社mct CEO / ストラテジスト

Jun 08, 2017 01:45 共感について

mctデザインインサイトユニットの合田(ごうだ)です。

これは私の個人的な体験なのですが、今でも印象に残っている話があります。

大学で心理学を専攻していた時、確かカウンセリングの授業だったと思うのですが、講師で来られていたカウンセラーの方が、「若いころ、犯罪者のカウンセリングをしていたときに最初は明らかに常識とは違う(正しくない)、と思っていたことが回数を重ねるごとに彼の言っていることが正しいように思えてきたことがあった」という話をされていました。相手の話に共感しすぎてだんだんと相手の考えや思考に飲み込まれてしまいそうになった、そんな経験をされたということでした。

上記は極端な例ですが、私が普段、インタビューをするときに大事にしているのは共感と線引きです。もちろん、インタビュー中は相手に共感しながら理解を深めていきますが、一度立ち止まり「自分だったらどうするか?どう思うか?」と考えながら質問を投げかけています。誘導的な質問ではなく、相手をもっと理解するためです。

まだ経験が浅かったころ、インタビュー中に迷子になったような感覚に陥ることがありました。もちろん今はそんなこと一切ありませんが。講師の先生の言葉を借りると、相手の話に飲み込まれてかけていたんだと思います。

ポイントは、共感するところと、線引き(うまく距離を保つこと)を見極めることです。このあたりは経験を重ねるごとに分かってくるのかもしれません。ちなみに友人によるとカウンセラーになるには、自分の性格を徹底的に理解して、癖をなおしていかなくてはいけないそうです。

デザインリサーチにおけるインタビューはカウンセリングではないので、そういった必要はありませんが、自分がどういう人間なのかを分かった上でプロジェクトをすすめていくと、より深く相手を理解することができると思います。

また心理学にからめた話があればブログにアップさせていただこうと思います。

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Satomi Goda株式会社mct エスノグラファー

【タグ】 インサイト,

Jun 02, 2017 10:40 なぜ、mctは現地チームと共同でのエスノグラフィをお勧めするのか

こんにちは、白根です。海外でエスノグラフィをするとき、日本のスタッフと現地のスタッフが共同で行うメリットについてお話します。

5年程前、あるプロジェクトでインドの街を移動している時、やたらとティッシュボックスが目立つのが気になりました。「インド人はなぜティッシュボックスを隠そうとしないの?そんなにいっぱい使うのか?」プロジェクトを一緒にやっていたCONVOのDina Mehtaに質問をしました。彼女は、ティッシュボックスについてこれまで気にしたことがなかったようで、はじめは驚いていましたが、少し考えて「インド人にとってティッシュボックスはモダニズムの象徴なの。隠さないんじゃなくて、見せようとしているのよ」という解釈をしてくれました。

観察をしに現場に行くと、そこには目立っている事物と、目立っていない事物があります。一方、そこには自分が見たいと思っている事物と、自分が見たいと思っていない事物があります。人間は、目立っている事物に注意を向け、見たいと思っている事物を無意識のうちに探してしまう傾向があります。その結果、素人の観察者の場合、いろんなものを観察しているようで、実は「自分が見たいと思っている目立っている事物」ばかり観察してしまっている、ということが起こってしまいます。

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「自分が見たいと思っていない目立たない事物」は無数にあるので、それら全てを観察して、その中から意味のある「自分が見たいと思っていない目立たない事物」を収集するのは現実的ではありません。そこで、まずは「自分が見たいと思っていない目立つ事物」「自分が見たいと思っている目立たない事物」に焦点を当てることになります。その時、日本のプロと現地のプロでは得意な領域が異なります。現地の文化をよく知らない日本のプロは、「自分が見たいと思っていない目立つ事物」の収集が得意です。ティッシュボックスの例がそれをよく表しています。一方、現地の文化をよく知っている現地のプロは「自分が見たいと思っている目立たない事物」の収集が得意です。ティッシュボックスに似た例をあげれば「インドでは、人前で待ち受け画面を瞬時に英語仕様に変える携帯電話の機能が人気である」ということなどは、インドの事情をよく知っていないと収集できません。

Purchased at Shutter stock, using as a news article.

電線が絡まったこの写真。日本から来たわたしたちにとってそれは、とても「目立っている事物」ですが、インドで暮らす人々にとってはあまりに日常的で、「目立っている事物」として意識することができません。しかし、その意味をわたしたちだけで解釈しようとすると間違ってしまいます。絡まった電線についてインドのプロと共有すれば、すぐに「これはジュガードの精神の表れだ」という解釈が返ってきます。ちなみに、ジュガードとはヒンズー語で「応急措置」のこと。モノや資本が足りない過酷な環境の中でも、機知や機転を研ぎ澄ましてなんとか問題を解決しようという必要に迫られて生まれた精神です。

現地をよく知らないからこそ気づけること。現地をよく知っているからこそわかること。日本のスタッフと現地のスタッフが共同でこの2つをうまく組み合わせることで、両者が認識できなかったキーインサイトに近づいていくことができるわけです。

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Hideaki Shirane株式会社mct CEO / ストラテジスト

Jun 02, 2017 08:37 ギャップファインディングというメソッド。

 

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こんにちは、mctデザインインサイトユニットの程野(ほどの)です。

さて、唐突ですが、テレビ番組のお話です。

テレビ番組はかつて、人のほうが番組をやっている時間に合わせてテレビの前に座って観る、というのがあたりまえでした。その昔、人気番組を観るために銭湯から人が消えた、という話もあるくらいで、その番組を観るためにいつもなら銭湯に行っていたところをわざわざ予定を変更して、テレビの前に座っていたわけです。

そういえば、私も中学生のころ、夕方の再放送タイムの番組が観たくて、部活をさぼって自転車を必死に漕いで家に帰ったことがありますし、挙句の果てにはその番組観たさに部活をやめてしまいました。

ところが、今ではパソコンやスマホなどで自分の好きな時間に、好きな場所で番組を楽しむことができるようになりました。もちろん、まだすべての番組が観られるわけではありませんし、未だにテレビの前に座らせることが主流ではありますが、数年前から考えるとコンテンツを楽しむための選択肢が増えたという点では格段の進歩であり、まさにイノベーションと言ってもいいと思います。そしてあと10年もしないうちにテレビ番組のタイムテーブルなんてものはなくなって、コンテンツリストに変わってしまうのかもしれません。その時代の若者に「昔は人気番組を観るために銭湯から人が消えたんだよ」という話をしても、価値観が違いすぎて笑ってもくれないかもしれません。

と、前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。

ユーザーや企業は、何かしら現状の枠組みの中で、無意識に「暗黙の前提」を形成し、それをあたりまえのことと考えて妥協し、その中での快適さを求めて日々暮らし、活動しています。テレビ番組も、送り手と視聴者の間には、長い間「人のほうが番組をやっている時間に合わせてテレビの前に座って観る」ことがあたりまえのこととして埋め込まれていました。

そうした例は周りを見渡せばいくらでもあると思いますし、今現在、何か新しいことを生み出そう、何かを変えようと奮闘しているのに、いまいちドライブがかからない、うまくいかない、とお悩みの方がいらっしゃったとしたら、それはもしかしたら従来の枠組みをあたりまえとしてとらえ、そのあたりまえの中で奮闘しているからなのかもしれません。

このような、今はあたりまえのこととしてさまざまな場面に埋め込まれているバイアス、つまりユーザーと企業との間にギャップを生み出している「暗黙の前提」を認識し、疑うことによって問題解決の視点を広げることができる「ギャップファインディング」という名前のメソッドを、mctではご用意しています。

ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。テレビ番組を場所と時間から解き放つような、そんなイノベーションのお手伝いをさせていただきます。

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Koji Hodono株式会社mct エクスペリエンスデザイナー/エスノグラファー

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