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Aug 22, 2017 11:45 見て、触れて、感じる

こんにちは、デザインインサイトユニットの景山です。この間、私が18歳の時まで住んでいた家が取り壊されました。当時ですでに築50年を過ぎていた古い家で、15年前に退居した後は所有者である祖父が貸家にし、リフォームを重ねながら現在まで生き長らえていたのですが、老朽化が限界に達し、更地にして建て直すこととなったのでした。

人生の約半分の時間を過ごした場所が無くなる前に、もう一度その姿を見ておきたいと思った私は、取り壊し工事が始まる直前にその場所を訪れました。
10年ぶりに訪れるかつての我が家。対峙した時点で、「こんなに小さかったっけ」とか「玄関扉のサビは昔のまんまだなぁ」とか、すでにけっこう郷愁にかられていたのですが、何気なく家の壁に手を触れた瞬間に、その郷愁が一気にドライブされました。ただ家を眺めていた時とは比べ物にならないぐらい豊かな情報が、壁の触感を通じて、私の脳内を一気に駆け巡ったのです。

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壁の温度や表面に埋め込まれた小石の手触りや凹凸が手のひらに食い込む感じ等がすべて渾然となって、かつてこの家の前で遊んだ小さい頃の記憶を私に呼び起こしました。同時に頭の中では、私の少年時代の映像と音声が次々と再生されていきます。友達に押されてこの壁にぶつかり、凹凸で腕を派手に擦って大怪我をしたこと、真夏の暑い昼間に触れて火傷しそうなぐらい熱かったこと、埋め込まれた小石を引っ掻き出すのに夢中になったこと…。小さな、でも大切なエピソード達が当時の感情とともに一気によみがえり、私は何とも言えない気持ちになって、しばらくその場に佇んでしまいました。古い空き家の前で、壁に手を当てて変な表情でじっと動かない男の姿は、はたから見ればさぞ異様だったでしょう。誰にも観察されていなかったことを祈ります。

mctのインサイト調査では、クライアントの皆様にも一緒に現場に赴き、五感すべてを使って気づきを得るリサーチをオススメしています。上の話がよい例になっているかわかりませんが、観察したり、話を聴いたりする以外の行動を通じても、重要な情報を多く得られるからです。いろいろな知覚を通じて手がかりを得るための、ツールやフレームワークも各種開発・用意しています。これまで気づけないでいたイノベーションのヒントを見つけに、私達と一緒にフィールドへ出かけませんか。

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Satoshi Kageyama株式会社mct エクスペリエンスデザイナー

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