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Jul 10, 2015 05:00 イノベーションを成功させるための4つのコア原則

Amazonの商業デザインカテゴリーでベストセラー1位となった『101デザインメソッド』。こちらは、イリノイ工科大学デザインスクールのヴィジェイ・クーマー教授が著した同著を紹介するコーナーです。今回はmctの佐藤より、イノベーションを成功に導く「4つのコア原則」をご紹介します。

 

1つ目の原則は、「ユーザーの経験に焦点を当てる」というもの。商品やサービスではなくユーザーの経験ベースにイノベーションを考えるという内容。「どのようなスポーツシューズを開発するか」という商品ベースの発想だけでは、ナイキプラスのサービスは生まれてこなかったはずです。

2つ目の原則は、「システムとしてイノベーションを捉える」というもの。システム(ステークホルダーやルール)の全体像を見据えてイノベーションを考えるという内容。書籍をオンラインで購入できるシステムだけでなく、倉庫・物流・パートナーシップ等のビジネスの全体像についても十分な考慮がなされていなければ、Amazonは大きく成長しなかったはずです。

3つ目の原則は、「イノベーションの文化を醸成する」というもの。社内の誰もがイノベーションを目指すマインドセットを持っていれば、常にアイデアは生まれ、大きなイノベーションにつながる確率は高まっていくはずです。

4つ目の原則は、「規律あるイノベーションプロセスを採用する」というもの。業務プロセスの中にイノベーションを呼ぶメソッドが適切に含まれていれば、イノベーションを起こす確度が高まっていくはずです。

 

ここで、ひとつ面白い現象をご紹介します。具体的なアイデアを出し始めると、従来の商品・サービス中心の発想に戻ってしまう方が多い、というものです。スポーツシューズそのものではなくスポーツシューズ利用者の行動全般を考えようとしても、いつの間にか、「どのようなスポーツシューズにするか」であったり、最近では「スマホを使って何かできないか」といったようなモノ中心の思考に戻ってしまう。どうやら人間という生き物は、自分が得意とする頭の使い方(≒商品やサービス中心の思考)に強い引力で引き寄せられてしまうようです。

 

では、その引力から解き放たれ、自由に発想を行えるようになるためにはどうすればよいか。その解のひとつに、上記の4つ目の原則(規律のあるプロセス)を活かすという考え方があります。

 

コンセプトを発想する時、リサーチを行う時、事業アイデアを考える時。イノベーションを目指すプロセスには様々な局面がありますが、それぞれの局面ごとにイノベーションに近づきやすいメソッドが存在します。それらのメソッドを業務プロセスに組み込み、それに(半ば強制的に)従って業務を遂行させる。そういったマネジメントも、イノベーションの確度を高めるためには必要だということです。

 

ひとたび成功体験が生まれると3つ目の原則(イノベーション文化)も培われ、結果、規律あるプロセスも自発的に遵守されていく・・・そんなイノベーションに向けた良いスパイラルが形作られていくでしょう。イノベーションの文化とプロセスが組織にしっかりと根付くと、組織としてのイノベーション力も圧倒的に高まっていくはずです。

 

そのような状態を目指し、貴社においてもまず、業務プロセスを見直されてみてはいかがでしょうか。

 

・・・

今後、このコーナーでは『101デザインメソッド』から有用なメソッドをピックアップし、私たちの解釈も加えた上でご紹介していきたいと思います。気長にお付き合いいただけますと幸いです。

 

101.jpg

Takeshi Sato株式会社mct ストラテジスト

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